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「どこかに出かけて、お金や体力を使う」のはもうしんどい? レジャー白書・速報版 

朝倉 継道朝倉 継道

2026/09/02

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レジャー白書の速報版が公表

歴史の古いシンクタンクのひとつ、公益財団法人 日本生産性本部から、「レジャー白書2026」の速報版が先々月に公表されている(7月16日)。

「2025年の国民の余暇意識および余暇活動への参加実態調査」との内容で、仕事以外の「趣味」や「レジャー」に関する人々の意識、それらのうち、どんな活動に多くの人が参加しているかなどを調べている。

対象は、全国15~79歳の男女。有効回答数は3,279。調査実施時期は今年の2月。

この記事では、今回公表されている内容のひとつ、「直近10年間の余暇活動参加率上位10種目」における、現在および過去の数字を見ながら、いくつか興味深い点をひろっていきたい。

2025年の余暇活動「参加率」上位10種目

まずは、以下が2025年における、余暇活動参加率上位10種目となる。人々がどんなレジャー等に、どのくらいの割合で参加したか(それらを25年中に1回以上楽しんだか)を示すものとなっている。

「2025年・余暇活動種目および参加率TOP10」
1位 国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など) 47.7%
2位 外食(日常的なものは除く) 39.5%
3位 動画鑑賞(レンタル、配信を含む) 36.4%
4位 音楽鑑賞(配信、CD、レコード、テープ、FMなど) 34.6%
5位 映画(テレビは除く) 33.7%
6位 読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての) 33.3%
7位 ウォーキング 29.2%
8位 ドライブ 28.0%
9位 複合ショッピングセンター、アウトレットモール 27.4%
10位 SNS、エックスなどのデジタルコミュニケーション 27.0%

国内観光旅行―――不動の1位だが、近年の参加率は「減」

いま掲げたとおり、25年の1位は「国内観光旅行」となっている。なお、この年のみならず、直近10年までを見渡しても、同種目はコロナ禍が影響した2年間(20、21年)を除き、長く1位に在り続けている。

しかしながら、参加率そのものはコロナ前後で明らかに変化している。こんな具合だ。

「国内観光旅行 参加率・順位」
2016年 53.0% (1位)
2017年 52.3% (1位)
2018年 54.4% (1位)
2019年 54.3% (1位)
2020年 34.3% (4位)※コロナ禍
2021年 32.8% (6位)※コロナ禍
2022年 42.8% (1位)
2023年 48.7% (1位)
2024年 48.3% (1位)
2025年 47.7% (1位)

16~19年にあっては常に50%を超えていたが、22年以降はそれを常に下回っている。

要因はいくつか考えられるが、特に重いものとして、近年続く宿泊費の高騰は挙げざるをえないだろう。

先般、東京商工リサーチが公表した資料によると、25年度の国内シティホテルの客室単価は、前々年度に比べ1.25倍、コロナ禍の21年度からは2.31倍の伸びとなっている。ビジネスホテルも同様、前々年度比1.25倍、21年度比は2.29倍だ。(6月17日付TSRデータインサイトより

円安の恩恵をもってこれをカバーする外国人旅行者はともかく、国内側にとっては、これらはかなり厳しい数字となる。

国内観光旅行と似た「外食」の動き

国内観光旅行と似た動きをたどっているのが、「外食(日常的なものは除く)」の数字となる。

「外食(日常的なものは除く) 参加率・順位」
2016年 40.6% (2位)
2017年 39.7% (2位)
2018年 41.9% (2位)
2019年 43.7% (2位)
2020年 33.7% (6位)※コロナ禍
2021年 33.4% (4位)※コロナ禍
2022年 35.8% (4位)
2023年 39.2% (2位)
2024年 35.6% (3位)
2025年 39.5% (2位)

こちらも、コロナ前は高い順位と参加率を保っていたものが、コロナ禍で一旦下がった。そののち復活するも、参加率は以前の水準にまでいまひとつ戻れずにいる。

なお、ここでの「外食」は、カッコ書きにもあるとおり、日常を離れたやや贅沢なものを指す。

物価や人件費の高騰が対価に反映されやすいものであり、なおかつ、経済的余裕が狭まった際には、出費の対象から削られやすい代表といえるだろう。

コロナを機に一気に上位へ―――「動画鑑賞」

最新の25年のランキングにおいて、「国内観光旅行」、「外食(日常的なものは除く)」に続く3位に挙がっているのが「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」だ。こちらも動きをたどってみよう。

「動画鑑賞(レンタル、配信を含む) 参加率・順位」
2016年 圏外
2017年 圏外
2018年 圏外
2019年 35.3% (8位)
2020年 39.4% (1位)※コロナ禍
2021年 37.4% (2位)※コロナ禍
2022年 38.4% (2位)
2023年 37.0% (3位)
2024年 38.1% (2位)
2025年 36.4% (3位)

見てのとおり、「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」にあっては、19年にTOP10入りした勢いをコロナ禍による「巣ごもり」需要が思い切り後押しした感がある。

結果、同種目は、いまや堂々国民のレジャーの代表たるひとつとなっている。

アフターコロナでも再浮上ままならず

25年のランキングで8位に挙がっている「ドライブ」と、9位の「複合ショッピングセンター、アウトレットモール」には3つの共通点がある。

ひとつは、どちらも外出をともなうものであること。

さらには、外出先での身体的負担をある程度要する活動であること(運転や長めの歩行)。

加えて、交通費やガソリン代、飲食代金、買い物と、まとまった出費が生じやすい点だ。

「ドライブ 参加率・順位」
2016年 38.5% (3位)
2017年 38.0% (4位)
2018年 41.7% (4位)
2019年 39.8% (4位)
2020年 33.8% (5位)※コロナ禍
2021年 28.9% (7位)※コロナ禍
2022年 34.6% (5位)
2023年 32.7% (6位)
2024年 30.2% (8位)
2025年 28.0% (8位)※コロナ禍の21年を下回る

見てのとおり、「ドライブ」は、16年での順位は3位だった。参加率は38.5%で、さきほどふれた25年の3位「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」を上回るものとなっている。

なおかつ、翌々年にはさらに数字を40%以上に上げている。25年の2位「外食(日常的なものは除く)」を超える高い割合だ。

しかし、そのあとコロナ禍に見舞われ、落ち込んでからは、以前の状態に戻れず、むしろ遠のくかたちとなっている。25年の参加率は28.0%と、コロナ時の数字をも下回っている。

圏外に去ったままの「動物園等」

一方、「複合ショッピングセンター、アウトレットモール」はどうだろう。

「複合ショッピングセンター、アウトレットモール 参加率・順位」
2016年 33.8% (6位)
2017年 33.0% (6位)
2018年 35.6% (6位)
2019年 35.7% (6位)
2020年 25.6% (10位)※コロナ禍
2021年 圏外※コロナ禍
2022年 27.2% (9位)
2023年 30.8% (9位)
2024年 28.6% (9位)
2025年 27.4% (9位)

このとおり、16年は6位、17~19年もそれが続き、参加率もこの間33%台から35%台へ、上昇傾向を示していた。

ところが、コロナ禍の20年は10位、同じく21年はTOP10圏外に。翌22年以降は9位が続いており、なおかつ、参加率も下落傾向となっている。

すなわち、以上2つの、似た特徴をもつ余暇活動については、現状、国民からの選択がだんだん得られなくなってきている様子が見てとれる。

なお、コロナ禍以降、圏外に消えたままであるため、25年のTOP10には名前が挙がっていない「動物園、植物園、水族館、博物館」も、「ドライブ」「複合ショッピングセンター、アウトレットモール」と同じ特徴をもった余暇活動となる(外出、身体的負担、まとまった出費)。

こんな動きをたどっている。

「動物園、植物園、水族館、博物館 参加率・順位」
2016年 30.9% (7位)
2017年 30.8% (8位)
2018年 33.4% (8位)
2019年 33.5% (9位)
2020年 圏外※コロナ禍
(以降もTOP10圏外が続く。なお、25年の参加率は24.3%)

巣ごもり型のレジャーがシェアを増してきたここ10年

以上、日本生産性本部「レジャー白書2026」速報版から、直近10年間の余暇活動参加率上位10種目に見える、いくつかの数字や動きをひろってみた。

ここで、2016年のある状況と、2025年のそれとを比べてみよう。

「参加率TOP10内における、巣ごもり型の余暇活動」
2016年 2種目(読書、音楽鑑賞)
2025年 4種目(読書、音楽鑑賞、動画鑑賞、SNS・エックスなどのデジタルコミュニケーション)

どうやら「わざわざどこかに出かけて」「お金や体力や時間を使う」かたちのレジャー等について、われわれは昨今、これらから遠ざかりつつある様子が見てとれる。

理由としては、体力や気力の面、あるいは、嵩んでいくコストに個々の経済力が追いつかずにいるといった状況が察せられるところだ。

なお、そのことについては、高齢化、物価高、収入格差の広がり、ネット社会の進展がわれわれにもたらしている環境など、さまざまな要因が、各人織り交ぜたかたちで思い浮かぶことだろう。

「レジャー白書2026」速報版の内容は、下記でご確認いただける。

(公財)日本生産性本部「レジャー白書2026」速報版

(文/朝倉継道)

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この記事を書いた人

コミュニティみらい研究所 代表

小樽商業高校卒。国土交通省(旧運輸省)を経て、株式会社リクルート住宅情報事業部(現SUUMO)へ。在社中より執筆活動を開始。独立後、リクルート住宅総合研究所客員研究員など。2017年まで自ら宅建業も経営。戦前築のアパートの住み込み管理人の息子として育った。「賃貸住宅に暮らす人の幸せを増やすことは、国全体の幸福につながる」と信じている。令和改元を期に、憧れの街だった埼玉県川越市に転居。

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