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賃貸一人暮らし・食中毒に気をつけよう。夏以上に冬が危ない?

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自炊を始めよう、増やそうと思ったら

今年の春、就職や進学で初めての賃貸一人暮らしを始めた皆さん。バタバタとした数カ月が終わり、生活も落ち着き、余裕も生まれ、「そろそろ外食やお弁当の購入を減らして自炊を」と、考えている人も多いかもしれない。

あるいは、「家賃が契約更新の際に上がってしまった。食費を切り詰めなければ」ということで、自炊を始めたり、回数を増やしたりといった方も、なかにはいらっしゃるだろう。

そこで、この記事では、自炊―――自宅での調理で生じるリスクのひとつ「食中毒」について、見逃されがちな注意点を記していくことにしよう。自炊初心者や、調理の経験が少ない人が知らずにいるリスク、気付きにくいリスクをいくつか挙げていく。

食中毒への注意は買い物の段階から。肉や魚は「隔離」しよう

食材を店で購入する際、ほとんどの人は消費期限を確認するはずだ。そのうえで、生の肉や魚を買った場合は、外気温に晒される時間が長引かないよう、家路も急ぐことだろう。

そこで、もうひとつ大事な注意だ。肉や魚は、トレイにのせられ、ラップでパックされていても、それをパックごと必ずしっかりとビニール袋に入れて持ち運ぶこと。

ラップの隙間などから汁が漏れ、それが他の食材に付着しないようにするためだ。肉汁や魚介の汁の中に潜んでいる細菌やウイルスが、他に移らないように隔離しよう。

同様に、帰宅後、冷蔵庫へそれらを移す時なども、他との分別、隔離に注意を払いたい。

さらに、調理の際、これらを切った包丁や、のせたまな板などを十分に洗浄・消毒しないまま、他で使わない基本も大切な分別、隔離の一環となる。(これが基本だと知らなかった人は、今日からしっかり心得よう)

焼肉などをする際も、生肉を掴む箸は、口に入れる方の箸と一緒にしないよう注意しよう。

暑い季節だけ気を付ければいい? 答えはNo!

食中毒といえば、気温の上がる夏や、気温も湿度も高い梅雨の時期にもっぱら起こりがち―――そんなイメージがもたれやすい。

これには理由もある。主な細菌による食中毒が、これら暑く湿った季節ほど増えやすいことによる。

「カンピロバクター」「サルモネラ」「O157」など、よく名前が挙がる細菌による食中毒は、たしかに夏を中心に発生がよく聞かれる。

だが、一方でノロウイルスはどうだろう。ノロウイルスへの感染は、食中毒の原因として(病因物質別・後段の数字を参照)もっとも割合が高いが、寒い時期をピークに発生する。

なので、暑い季節が過ぎても気を抜かないこと。調理前、調理中、調理後(食事前)のこまめな手洗いや、調理用具の洗浄・消毒など、冬もしっかり続けよう。

「つくりおき」の中で増える菌

一人暮らしの調理では、何日分かの作り置きをこしらえるケースも少なくない。

日曜の晩に作ったカレーや煮物などの残りをパック詰めして冷蔵庫に保管し、忙しいウィークディ前半の夕食に加えるなどする、いわば生活の工夫だ。

ところが、そんな作り置きされた料理の中で、調理の熱にも耐えてしぶとく生き残っている菌がいる。「ウエルシュ菌」だ。

この菌は、75℃以上の熱に晒されると多くは死ぬが、一部は熱に強い殻(芽胞)をつくることで生き残る。生き残った菌は、次第に冷めていく料理の中で、今度は快適な温度(12~50℃)を得て増殖する。

カレー等の料理を作り置きする際、素早く冷蔵庫で冷やさず、室温のまま放置するなどすると、そんな状況が生まれてしまう。そうならないためには、料理を鍋のまま冷やしたりせず、小分けにするのがコツとなる。

そのうえで、再度加熱する際は、やはり素早く温度を菌が死滅するレベル(75℃以上)に上げてやる。そうすれば、菌が放出した毒素も活性を失う。料理全体に高い熱が行き届くよう、かき混ぜながら手早く加熱するのがコツだ。

一方、そうせずにゆっくり温めると、途中で菌にとっては快適な時間がまたも生じてしまう。彼らは大いに増殖する。なおかつ、加熱も十分に足りていない場合、菌は死滅せず、料理を食べる人の体に取り込まれる。菌はそこで毒素を生み出し、中毒を発生させる。

作り置きを保存する際、食べる際は、手早い冷却と、素早く十分な再加熱を心掛けよう。

もちろん、手早く冷蔵できたからといって、冷蔵庫の中に何日も放置するのもダメだ。そもそも作り置きはしないという、無難な選択肢ももちろんある。

牛肉の「レア」に要注意

豚肉や鶏肉を料理に使う場合、しっかり火を通さないと、食中毒の危険があることは多くに知られている。

そのため、プロだけでなく、家庭で調理をする一般の人々の耳にも、豚や鶏の生焼け、生煮えはダメとの注意は、大抵届いているはずだ。(もしも届いていなければ、今日からしっかり心得よう)

一方、牛肉の場合、店でステーキを注文する際など、中が生焼けのレアやミディアムをチョイスする人も多い。

牛肉では、肉の内部にまで菌が入り込んでいる可能性は低いといわれており、切り出したあと、一定時間外に晒されていた表面のみ焼けば、中がまだ赤くとも、通常問題はないとされているためだ。

だが、それが全てにいえると思うのは間違いだ。

たとえば、ひき肉の場合、一定時間表面にあった肉も、内側の肉も、全部が混ぜ合わされたかたちになっている。「中まで焼けていないハンバーグは危ない」とよくいわれるが、その理由がこれだ。

また、普通の肉に見えても、実は切り分けられた肉を固めた「成形肉」だったりすることもある。(いわゆる「サイコロステーキ」の多くはその代表)

調味液を外から注入するなど、作業の過程で菌が内部に侵入するおそれがある加工をほどこされた肉もある。

これらの場合も、ひき肉と同様のリスクが生じることになるわけだ。

成形も加工もされていない、いわゆる一枚肉であることがはっきりと見分けられるプロでないならば、その肉は、しっかりと中まで焼いておく、煮ておくに越したことはない。

病因物質別・食中毒発生状況

以上、自炊初心者や、調理の経験が少ない人が気付きにくかったり、あるいは知らずにいたりすることが多い、食中毒に関するリスクをいくつか挙げてみた。

もちろん、注意すべき点はほかにも色々ある。国や自治体等の信頼できるサイトでよく確かめよう。

最後に、厚生労働省が公表している昨年分(2025年)の「病因物質別」の食中毒発生状況を覗いてみよう。いくつか数字を抜粋する。

項目 事件数 患者数
「食中毒全体」 1,172件 24,727人
「食中毒の病因物質が細菌であるもの」 全体 315件 4,226人
(うち、事件数1位)カンピロバクター・ジェジュニ/コリ 220件 1,226人
(同、患者数1位)ウエルシュ菌 33件 1,260人
「食中毒の病因物質がウイルスであるもの」 全体 467件 18,927人
(うち、事件数、患者数ともに1位)ノロウイルス 462件 18,566人
「食中毒の病因物質が寄生虫であるもの」 全体 305件 510人
(うち、事件数、患者数共に1位)アニサキス 280件 283人

ノロウイルスの数字にあらためて注目だ。前記したとおり、主に寒い時期に猛威を振るう。事件数で全体の約4割(39.4%)、患者数では全体の約4分の3(75.1%)に達している。

(文/賃貸幸せラボラトリー)

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賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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