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空室対策一丁目一番地 ♯2

物件写真で内見率の向上を図る--後編

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前回の『空室対策一丁目一番地』ではスマートフォンでも簡単、しかもそこそこのクオリティで物件写真を撮影できる方法を紹介。後編となる今回は「フィボナッチ数」から導き出されるフィボナッチ・スパイラルを活用した撮影方法を紹介する。

(文/編集部)

自然界に存在する不思議な黄金比

フィボナッチ数をご存知だろうか。フィボナッチ数とは中世イタリアの数学者レオナルド・ダ・ピサが考案した問題に由来し、その内容は、「兎のつがいが、産まれて2カ月後から毎月1組のつがいを産むと、1年間で何組のつがいになるか」というものである。そしてその数は、1つ前の数と2つ前の数の和となる、次のような数列になる。

1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89・・・

さらにこの数列のとなり同士の数の比は、限りなく黄金比(近似値は1:1.618)に近づき、摩訶不思議なことに自然界にも数多く存在する。

 

黄金長方形(≈1:1.618)から「最大」の正方形を取り除くと、残った長方形は黄金比となり、限りなくこれを繰り返しても同様になる。また、正方形の対角線を繋ぎ合わせ曲線にすると螺旋模様となり、この類似現象は自然界でも多く見られる。正方形太枠内の数字は、1辺の数を表しており、ご覧の通りフィボナッチ数列となる。lllustration/123RF

アンモナイトの断面図 ©️123RF

例を挙げていくと、花びら、ひまわり、松ぼっくり、貝、台風・銀河系の渦、カミナリ、木の枝分かれ、はたまたDNAの分子などさまざまだ。自然界にもともとあるものだからか、人はこの黄金比を心地よく感じる傾向にあると言われている。パルテノン神殿、ミロのヴィーナス、レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』や人体図、葛飾北斎の『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』など、黄金比が反映されている作品は枚挙にいとまがない。身近なところではアップルやグーグルのロゴなど、現代デザインではありとあらゆるところに応用されている。

少々前置きが長くなってしまったが、今回紹介するのはズバリ、フィボナッチ・スパイラルを構図に利用する撮影術だ。

撮影方法は黄金長方形内の螺旋模様(フィボナッチ・スパイラル)をイメージして、画角内にこの模様があると思いながら、狙った被写体を渦の中心にもっていき写真を撮る。ただこれだけである。このフィボナッチ・スパイラル、スマートフォンによっては純正のカメラアプリに最初からグリッド設定されている機種もある。この撮影術は「引き」でも「寄り」でも有効。ただ、部屋の全景写真の場合は前編で解説したように天井の角から見下ろすような感じで撮影した方が、立体感のある写真が撮れる。フィボナッチ・スパイラル撮影術でもっとも真価を発揮するのは、ホームステージングを施した部屋で小物にフォーカスした“雰囲気写真”の撮影だ。

スマートフォンのカメラアプリの画面上にフィボナッチ・スパイラルをイメージ。渦の中心部に被写体を合わせて撮影する。このように被写体と全体のバランスが良い写真が撮影できる

 

たとえ1枚の写真であっても、入居希望者の心を動かすことはできる。そして、いろいろ工夫することは賃貸経営の楽しみでもある。今すぐに実践できるのでトライしてみてはどうだろうか。

 

【合わせて読みたい!】

空室対策一丁目一番地#1 物件写真で内見率の向上を図る-前編

https://uchicomi.com/uchicomi-times/category/investment/main/13540/

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