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学びにのしかかる家賃。23区単身向きアパートの平均は7.3万円超。マンションは11.1万円超

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業界関係者も注目の調査

東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)が毎年公表している「私立大学新入生の家計負担調査」といえば、不動産業界、とりわけ賃貸住宅関連業界では注目している人が少なくない。

私立大学の新入生を抱える家庭が負担する、学生が住む賃貸住宅の家賃の平均額が示されるからだ。

先般、4月7日に公表された2025年度分の数字を見てみよう。

なお、この調査の対象は、

  • 「25年度に私立大学(短期大学を含む)に入学した新入生の家庭(保護者・父母)」
  • 「1都2県(東京、埼玉、栃木)にある10の大学・短大」(工学院大学、中央大学、東京経済大学、東洋大学、明治大学、明治薬科大学、早稲田大学、獨協大学、作新学院大学、作新学院大学女子短期大学部)

今回の有効回答数は3,613件となっている。

私立大学新入生の家庭が支払う家賃は7万円台に上昇。仕送りの約8割に

それでは、最新の結果を含む「毎月の家賃」の推移を掲げていこう。親などから学生に送られる「仕送り額」の月平均に占める割合も添えていく。

なお、後者は正確には「6月以降の仕送り額の月平均」となる。入学直後、新生活や教材の準備のため費用がかさむ5月については、これを除くかたちがとられている。

「私立大学新入生の家庭が支払う家賃の平均」
年度 平均家賃 仕送り額の月平均に占める割合
2025年度 71,800円 78.4%
2024年度 68,900円 77.9%
2023年度 69,700円 78.1%
2022年度 67,300円 76.0%
2021年度 66,700円 77.4%
2020年度 64,200円 77.9%
(この間略)
2015年度 61,200円 70.6%
2010年度 61,100円 66.7%
2005年度 58,700円 57.9%
2000年度 59,600円 50.0%
1995年度 55,300円 44.8%
1990年度 48,300円 39.6%
1986年度 34,700円 33.7%

 

見てのとおり、前回わずかに下がった家賃はふたたび増えている。仕送り額の月平均に占める割合も同様、0.5ポイント伸びている。

なお、余談だが86年の数字を見てほしい。当時、東京で一人暮らしをしながら大学に通っていた人であれば、たしかにこのくらいの家賃を払っていた記憶のある人が多いだろう。

仕送りに対する割合を見ると、その約1/3となっている。実感値といえるのではないか。これにアルバイト分を足すことで、若いサラリーマンが羨むほどの可処分収入を得ていた学生が当時はたくさんいたはずだ。

すなわち、上記は、家賃に加え車のローンも払いながら、夏は海に、冬はスキー場へと繰り出し、華やかなキャンパスライフを謳歌していた世代を下支えしていた数字のひとつといっていい。(そのことが悪かったというわけではない。時代とは常に不公平なものだ)

今年はさらに伸びている?

ところで、以上の数字は、繰り返すが25年度に一部の私立大学(短期大学1を含む)に入学した新入生の家庭を対象にしての調査結果となる。つまりは昨年のデータだ。調査は25年5~7月にかけ行われている。

そこで、過ぎたばかりの今年の春の新入生の場合はどうだったのかというと、そちらは来年の公表を待つしかない。

ただし、かなり高い可能性として、彼らの家庭が負担する家賃の額は、今年はさらに上昇していると思われる。

不動産ポータルサイト「at home」を運営するアットホーム株式会社が4月22日に公表した「2026年3月 全国主要都市の賃貸マンション・アパート募集家賃動向」を見てみよう。

以下は、東京23区および首都圏4エリア(合わせて5エリア)における「賃貸マンション(シングル向き・30㎡以下)」および「アパート(シングル向き・30㎡以下)」の平均家賃、さらに、その前年同月比となる。

エリア 種類 平均家賃 前年同月比
東京23区 賃貸マンション(30㎡以下) 111,922円 +13.0%
アパート(30㎡以下) 73,491円 +9.5%
東京都下 賃貸マンション(30㎡以下) 63,637円 +6.4%
アパート(30㎡以下) 57,938円 +7.6%
神奈川県 賃貸マンション(30㎡以下) 78,222円 +11.1%
アパート(30㎡以下) 59,467円 +5.8%
埼玉県 賃貸マンション(30㎡以下) 67,526円 +5.3%
アパート(30㎡以下) 58,177円 +7.9%
千葉県 賃貸マンション(30㎡以下) 74,459円 +11.1%
アパート(30㎡以下) 57,605円 +7.3%

このとおり、東京23区・賃貸マンションの+13.0%を筆頭に、いずれの数字にも著しい伸びが見られる状態となっている。

ちなみに、当該資料においては、上記も含め賃貸マンションで大小4つの面積帯、アパートで同じく3つの面積帯のデータが示されている。エリアも、上記のほか全国主要な大都市部が網羅されており、合計13エリアだ。

そのうえで、今回、

「平均募集家賃はマンション、アパートともに、全エリア・全面積帯で前年同月を上回る」

また、こうした状況は、

「2015年1月の調査開始以来、初」

とのこと。

次回の「私立大学新入生の家計負担調査」では、これらを反映してのさらに厳しい数字がおそらく掲げられることになるだろう。

地方出身学生の家賃は国が負担?

以上、東京私大教連による、25年度版「私立大学新入生の家計負担調査」の内容の一部を紹介するとともに、アットホーム社のデータをもとに、来年の予測も添えてみた。

それぞれの資料は、下記でより詳しくご確認いただける。

東京私大教連 私立大学新入生の家計負担調査

アットホーム(株) 2026年3月 全国主要都市の賃貸マンション・アパート募集家賃動向

ところで、子どもの大学への進学と、親などの負担については、教育関係に詳しい人はよく知るとおり、実は単純な議論でその答えが出るものではない。

その国・社会において、誰がどれだけのコストでどれだけの数の学位取得者―――高等教育修了者を“生産”するか、さらには、その質とレベルをどう規定し、維持していくか。

これらは、国際的な整合性も含め、国のグランドデザインに深くかかわる根幹的な課題となるはずだ(教育社会学上の国家的課題)。

しかしながら、わが国ではその辺の議論がいまひとつ進んでいないことで、現状、そのしわ寄せがいびつなかたちで家庭個々に及びがちなのだといえるかもしれない。

すなわち、それらが明確に整理されれば、たとえば、地方出身者が親元を離れ、大学に通う際の住居費用は国が負担といったかたちも、将来成り立つ可能性もあるだろう。

折しも先月のこと。財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会が、学位取得者における一定の質を確保するため、2040年までに私立大学を少なくとも250校程度、目標によっては400校程度減らす必要があるとの見方を示したところだ。ちなみに、わが国の私立大学の数は24年時点で624校(同審議会の資料による)。賛否はともかく、あって然るべき提言と見てよいだろう。

興味深いその内容は、下記リンク先で確かめられる。

財務省 財政制度等審議会 財政制度分科会(4月23日開催)資料1 人口減少社会の中での総合的な国力の強化

(文/賃貸幸せラボラトリー)

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賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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