ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

日経新聞にもあるように「マンション・アパート賃貸契約時に加入する保険は手数料が高いというのは本当か?」

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

10/26の日経新聞朝刊に「販売手法を是正へ 金融庁、開示義務付けも」という記事が掲載されていましたので、まずはニュースの概略からお話しします。

 

【記事の概略】

 

金融庁は、複数の保険会社の保険商品を取扱う「保険ショップ」の実態調査を始めました。理由は「保険ショップ」が顧客に勧める商品が、販売手数料の高いものに偏っているとの批判がある為です。この販売手数料を幾ら受取っているのかを、今月内に報告するように求めています。

 

金融庁が求めている報告内容は〜

 

  • 代理店が販売した個々の商品の保険料率はいくらか(時系列で)
  • それぞれどのくらい売れて、販売手数料の総額はいくらか(時系列で)
  • 特定の保険を集中販売している場合、どの様に推奨商品を決めたかを示す資料の提出

※ これらは、手数料を稼ぐ目的で「特定の保険会社の商品」を勧める傾向にないかを確認する為です。

 

もともと保険会社には手数料開示の義務が無く、契約者(消費者)に実態が分かりにくい側面があります。自主的に販売手数料の開示をしているのは、ほんの一握りの保険会社だけです。販売手数料は保険会社によって違い「販売初年度は年間保険料の半分から同額を支払う保険会社もある」

 

保険販売は従来、自社商品を販売するのが主流で、顧客ニーズより自社の営業戦略が優先するとの批判がありました。一方、何十社もの保険会社の商品を取り扱う「保険ショップ」等の代理店は、第三者的な立場で、公平に保険を選んでくれるという存在感をしめしています。

 

しかし、代理店自体も保険会社からの販売手数料が収入源で、手数料の高い保険を勧めているのではないかとの指摘も一部で出始めています。

 

【不動産業界内の保険の状況】

 

賃貸不動産業界内でも「保険」は頻繁に取り扱われています。(マンション・アパートなどの賃貸契約時)賃貸住宅で使われている保険は「借家人賠償責任保険」という保険です。いわゆる損害保険(火災保険)ですが、マンション・アパートで不注意による失火・漏水などの建物被害を担保してくれる保険です。

 

通常の「火災保険」では、賃貸住宅の様な他人の建物の損害を補償する事ができません。これに対応する為に存在している保険です。この保険は、ほとんどの保険会社が販売商品として持っています。

 

また、単身者用〜ファミリー向けまで幅広く、賠償金額やセットになる保証内容によって保険金額も1万円を切る価格から3万円を超えるようなものまで、用意されています。つまり、商品自体はたくさん用意されているわけです。

 

何が言いたいかというと、賃貸不動産業界では「指定保険に加入」が義務づけられている場合が多いのです。先ほど説明しましたように、保険自体をNOと言う方は、少ないと思いますが、指定保険というのは…。

 

それも、高額な保険が多いのも事実です。高額な保険に加入させて、高額な手数料を狙っている事が見て取れます。実際の現場では、賃貸住宅を借りる立場の借主さんからすると、契約の際に「指定保険」に加入しないと契約は出来ません的な言われ方をして、それでも抵抗できる方は非常に少ないと思います。

 

この形態は完全に「独占禁止法の不公正な取引」に該当すると思われます。「この保険に加入しなければ契約はできない」という力が掛けられていますし、説明した通り保険会社やその種の保険商品は、それこそ星の数ほどあるのに「選べない」。もちろん、不動産会社等には保険契約の手数料も入る訳ですが、そんな情報も消費者は知らされない。

 

以前から、不動産業界の「闇」のお話しは随分していますが、こんな事にも加担しているんです。冒頭の日経新聞の記事にあったように、近い将来には不動産業界の保険手数料にもメスが入ると思います。

 

強制的に保険に加入する事自体は、賃貸契約書の特約などに記載して契約を締結していれば、問題はありません。しかし「指定保険会社の指定の保険商品」これはダメですね。

 

不動産業者等の「囲い込み戦略」と言われても仕方がありません。現状では「公正取引委員会」に相談をして見るしか手立てがありません。不動産業者を変える方法もありますが、その間に「気に入っている物件」が無くなってしまうリスクもあり消費者にとっては、厳しい面があります。

 

現状で取れる手立ては「自分が加入している保険がある」と申し出て見るぐらいでしょうか。そんな思いをされた方は「公正取引委員会」に通報して問題を明るみに出すしか、今は手が無いです。大家さん自身が「代理店」等になっている方は、今後、注意していってください。

 

マンション・アパートなどの賃貸住宅の契約の時に加入するのが通常の流れです。今では、不動産会社や管理会社も、ほとんどの会社が保険会社等と代理店契約を交して「代理店」になっています。

 

 

不動産経営に関してはもはや不動産会社さんにおまかせということでは成り立たなくなりつつあります。

大家さんも自分で動いて集客をしてくることが大事です。しかし、これまでのシステムでは自分でできることは限られていました。そんな中出来上がったのが大家さんが自分で物件を紹介できるサイト、ウチコミ!です。

所有されている物件の募集をかけることが可能です。大家さんであれば是非一度見てください。

bnr_owner5

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン『ウチコミ!タイムズ』では住まいに関する素朴な疑問点や問題点、賃貸経営お役立ち情報や不動産市況、業界情報などを発信。さらには土地や空間にまつわるアカデミックなコンテンツも。また、エンタメ、カルチャー、グルメ、ライフスタイル情報も紹介していきます。

ページのトップへ

ウチコミ!