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もう一度確認「造作買取請求権」「同居人の契約の承継」「定期建物賃貸借契約」

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≪造作買取請求権≫

 

賃貸住宅に、大家さんの了承を得て取り付けた建具や棚、エアコンなどを、借主さんは賃貸期間の終了・解約の時期に大家さんに買取を請求できる権利の事をいいます。但し、この規定はいままでの法律と違い「任意規定」です。

 

賃貸契約の時点の特約などで「買い取らない旨の特約」は、有効です。ですので、何でもカンでも「請求できる」わけではない事に、注意してください。それと、買取を請求できる場合でも「時価」となりますので、購入した時の金額ではありません。

 

買取物の「経過年数・残存価値」などが中心になります。また、大家さんが「修繕義務」を果たさないで、借主さんが造作や修繕したものとは別の規定です。勘違いの無いようにしてください。

 

≪同居人の契約の承継≫

 

同居人とは「事実上の夫婦関係等にあった同居人」の事をいいます。

 

つまり、賃貸契約者がご夫婦だったり、内縁関係であったりして、ご主人がお亡くなりになった場合に「契約者が亡くなったから権利が無い」などと言われては、住宅に入居している家族が大変な事になってしまいます。そんな事も、法律などで「規定・規則」が決められていないと、守るべき立場の人が守れない事が起きてしまいます。

 

そんな関係から、家族として住まわれている様な「同居者」の場合、主契約者が亡くなるなどがあったとしても普通に、契約関係を「継続・承継」出来る事を謳っています。もちろん、この場合には「再契約」や「更新」の必要もなく、継続できます。

 

ただ、同居していない「実質的に生活を一にしない家族等」は該当しません。また、契約当初からの友人等の「同居人」にも承継の権利はあります。いずれにしましても、大家さんの同意が無い入居者いがいでしたら、普通は問題は起きないはずです。

 

≪定期建物賃貸借契約≫

 

これは、ご存じの方も多いかと思います。整理して要点をお伝えしますと「契約の更新が無い特約を定める事ができる賃貸契約」です。ですので、「契約期間を2年」と定めた場合、2年後には契約が終了し、借主さんは「住宅を退去」する事が契約時点から「ある意味、約束された契約」となります。

 

契約した部屋を継続して使いたい場合は「再契約」という形になります。(更新ではありません)この契約を結ぶためには「定期建物賃貸借契約」を一番最初に結ぶ時に、重要事項説明書や賃貸借契約書以外に書面で「この契約が、定期建物賃貸借契約である事の事前説明」が必須となります。

 

そして、再契約しない場合「契約期間の6か月前までに、契約が終了し再契約を行わない通知」を必ず、借主さんに通知しなければいけません。必ず行わなければ、期間の定めの無い「普通の賃貸借契約」になってしまいます。

 

この契約を選択する大家さんは、将来の建替えや、自分で使う事などを視野に入れている方がほとんどと思います。ルールや手続きには、十分に注意してください。

 

それと、現在既に「賃貸借契約」を結んでいる借主さんとの契約を、更新に合わせて「定期建物賃貸借契約」に変更しようとしている方は、注意をして行わないと「訴訟問題」に発展してしまう恐れがあります。

 

借主さんに、事情を話して「合意の上の契約」でしたらいいのですが、借主さんの権利が大幅に違う契約になります。

 

おかしな方法を取って切り替えを行い、怒った借主さんが訴訟でも起こしますと、賃貸住宅とは思えないほどの「判決」が出てしまったりします。(最近の立ち退き料で500万円なんて判決もあります。)

 

それに、契約の切り替えを(普通→定期)認めていないケースもあります。(要注意)
専門家に相談した上で話を進めて下さい。どんな時でも、感情的な拗れを起こしてしまうと、解決が難しくなるばかりかお金もかかります。

 

いかがでしたでしょうか?法律は、結構細かい部分まで決まっている物なんです。

 

完全に借主さんに非がある事は別として、大家さん側に「有利」には出来ていません。それどころか「借主さん側」に有利に出来ているものなのです。中身を理解して頂き、健全に安全に賃貸経営を行ってください。

 

不動産経営に関してはもはや不動産会社さんにおまかせということでは成り立たなくなりつつあります。

大家さんも自分で動いて集客をしてくることが大事です。しかし、これまでのシステムでは自分でできることは限られていました。そんな中出来上がったのが大家さんが自分で物件を紹介できるサイト、ウチコミ!です。

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この記事を書いた人

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