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建物内部の床下について

皆川聡皆川聡

2016/12/05

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皆さん、建物の床下をご覧になったことはございますか?

床下の状況は、建物建築の時期、基礎の構造、通気性の良し悪し、軟弱地盤、近隣における大木の有無などにより、本当にさまざまです。 床下を確認するには、かなりの重労働を強いられます。確かに、点検口から確認するだけでも、ある程度までにはなりますが、その良し悪しは判断できると思います。ですが、本当にしっかり点検するには、潜らないといけないでしょうね。そのような場合には、住宅診断士(ホームインスペクター)などの専門家へのご依頼をお薦めいたします。

床下の確認では、いろいろな事象が多く見受けられます。水染み跡、湿気、水たまり、腐朽菌、蟻道、大引き・根太の著しい割れ、基礎においては、ジャンカ、人通口確保のための破壊、管路の為の跡付けによる貫通、鉄筋の露出・錆、耐圧盤の欠損、防湿コンクリートの割れ、アンカーボルトの締め付け忘れ、排水管の勾配の確保、鋼製束の締め付け忘れなど、さまざまな事象が確認できます。

床下調査の際には、上記の事項も確認した上で、その事象が、耐震的に問題があるのか、緊急性を有することなのか、ということを調査している専門家にご確認されるとよいでしょう。

床下は、建物の根幹を支える土台となるものが備わっております。耐震的な問題でも、とても重要な箇所です。いろいろな疑義が生じる問題が備わっているところでもあります。蟻害または、人通口の貫通などは、本来有している耐震性確保という言葉とは、かなりかけ離れてしまっている場合が多いと言えます。そのような建物は、地震災害等の時に、その劣化の状態如何で、建物の倒壊か否かにも影響し、人命にも影響するとても大切な部分と言えます。

床下は、目に見えないだけに、いろいろな手抜き工事も多いところです。かつて、新築アパートの竣工立会検査では、いろいろな不具合を確認できたこともありました。次回に掲載いたしますが、やはり、チェックは大切です。そこで、人間の健康診断と同様に定期的なチェックを行うことで、皆さまの投資物件の状態を把握でき、不具合や劣化につき初期段階で気付くことができます。特に、床下へ潜ることの方がより詳細にその建物の状況などが分かることが多く、その際には、住宅診断士(ホームインスペクター)などへの調査のご依頼をお勧め致します。まは、売買だけではなく、維持管理の際に、どうも不具合な箇所があるかもとお思いになる場合や、そのような疑わしい場所を発見した、もしくは、そろそろ建物の築年数からも、ちょっと見てもらわないといけないと思われる場合には、住宅診断士(ホームインスペクター)などの専門家へのご依頼をお勧め致します。

ただし、現実的に床下へ潜ることができない場合もありますので、その場合には、ご了承いただく場合もございます。調査可能な範囲で、点検口からできる限り詳細に検査するなどの代替的な方法により調査をさせていただきます。

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この記事を書いた人

不動産鑑定士

株式会社あおい不動産コンサルティング。大手不動産鑑定会社、株式会社三友システムアプレイザルに従事し、その後独立。 不動産鑑定業務が主ですが、住宅診断(ホームインスペクション)も対応しております。財務諸表・会社法・税務等についても、スキームに応じた鑑定評価の立ち位置を認識しております。相続・事業承継関係等にも勿論対応させて頂きます。<br> 賃料の評価・査定につきましても、数多くの案件を携わっており、得意にしております。 [担当]物件調査 皆川聡は個人間直接売買において物件調査により権利関係の確認をします。 個人間直接売買における皆川聡の詳しい役割はこちら

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