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失敗しない中古マンション投資 駅から距離、徒歩10分がベスト? 「駅近物件」の落とし穴(1/2ページ)

斎藤 岳志斎藤 岳志

2020/04/15

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入居者は「家賃重視」、大家がもっとも重視するポイントは?

部屋選びで重視されるポイントは、「Price(価格)」「Plan(間取り)」「Place(立地)」といわれます。そのなかでどれをもっとも重視するかは、そこに住む人それぞれによって違いはあります。

しかし、中古マンションへの投資をする側からは、なんといっても重要なのが「Place」です。これはどこの地域、鉄道の路線や駅を選ぶかについて違いはありますが、どの路線、駅であっても共通していのが、最寄り駅からの距離はどのくらいがよいかということはおおむね共通した要件でしょう。

結論からいってしまうと、私は「駅から徒歩10分以内」がポイントになると思っています。

私は賃料を払っていただく入居者の方には、賃料を払うことで時間と利便性を買っていただいていると考えています。ですから「駅から5分以内」など駅から近ければ近いほどよいと思います。とはいえ、駅から近いことによるデメリットも考えておく必要があります。

具体的には、駅が近すぎることによる電車の騒音です。地下鉄ならと思いがちですが、地下であっても、電車が通った際におこる微弱な振動や、低重音は住んでいる人にとっては気になるものです。

また、駅の近くは繁華街があることも多いため、夜間の騒音は睡眠の妨げになります。加えて、繁華街には飲食店が多いため、害虫の問題も出てきます。

こうしたことを踏まえて考えると、近すぎず遠すぎない「徒歩10分」というがポイントになると思うのです。また、賃貸物件の検索サイトの条件検索の設定からも「徒歩10分」が分かれ目になっているようです。

実際に歩いて、周りを見て生活スタイルをイメージする

実際、「徒歩10分」とはどのくらいの距離になるのでしょうか。

じつは不動産の広告に記載する徒歩○分は規定で、徒歩1分=80メートルと決められています。つまり、徒歩10分とは、物件から800メートルの距離になります。

ここで注意したいのは、広告の「徒歩○分」と自分の感覚の「徒歩○分」は必ずしも一致しないということです。これまで行ったことのないところと、何度も訪れたところでは同じ「徒歩○分」でも、遠く感じることがあります。

たとえば、初めての訪問先で駅から歩いていったときは遠く感じても、帰りの駅までは近く感じるという経験はありませんか。これと同様で、同じ「徒歩○分」でもイメージ、訪れた経験によって受ける感覚が違ってきます。

そのため実際の物件選びでは、現地に足を運んで自分の足でその物件と最寄り駅までも「徒歩○分」を体感しておくことがとても重要なのです。

また、道の状況や周辺環境によっても違います。

具体的には、同じ「徒歩10分」でも平坦な道を歩く「徒歩10分」と、坂道の「徒歩10分」とでは感覚的には大きく異なります。さらに商店街を通る道か、飲み屋さんが建ち並ぶ繁華街を通る道か、静かな住宅街を通っていく道か、公園を抜ける道か、片側2車線、3車線の幅の広い国道なのかなどによっても、受ける感覚は違ってきます。

このように実感してみることで、その物件は女性も安心か、男性であれば仕事帰りに立ち寄れる店が多いなど、実際に入居する人の生活スタイルも思い浮かぶようになります。こうしたことを知っておくことも大家業を成功させるには重要だと私は思っています。

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この記事を書いた人

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

FPオフィス ケセラセラ横浜代表 百貨店在職中にファイナンシャル・プランナーの資格を取得。税理士事務所、経営コンサルティング会社などを経て、FPオフィス ケセラセラ横浜を開設、代表を務める。 マイホーム購入・売却相談のほか、不動産投資のサポートも行なっている。株式投資やFXなど一通りの投資を実践した後、2007年より不動産投資をスタート。現在は、自らの資産運用はほとんど中古マンション投資に絞って取り組んでいる。

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