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業界の「常識」が変わってきた!?

知って得する! 不動産の仲介手数料が無料にできるワケ(1/2ページ)

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「仲介手数料ゼロ」を打ち出すサービスが増えてきた

ここ最近、不動産屋の店舗の前で「仲介手数料は家賃の50%」という店頭ののぼりや、「仲介手数料ゼロ」といった表示を前面に押し出す賃貸物件のサイトを見かけることが増えてきました。これまで賃貸契約の際に、不動産業者に「家賃1カ月分の仲介手数料を払う」ことが一般的でしたが、近年はそうしたかつての「常識」が崩れてきています。そして、この波は不動産の売買にも徐々に押し寄せてきています。

そもそも不動産の仲介手数料とはどういうもので、実際にはどうなっていているのでしょうか。また、どうして安くできるのでしょうか。ここでは不動産業者の仲介手数料について賃貸、売買のケースそれぞれに解説をしていきます。

仲介手数料は、上限が定められた成功報酬

住宅の賃貸や、戸建てやマンションなどの不動産を売買する場合、不動産会社に仲介を依頼することが一般的です。この不動産会社を通じて貸したり借りたり、売ったり買ったりした場合、不動産会社に成功報酬を支払うことになります。この成功報酬を仲介手数料あるいは媒介手数料といいます。そして、この仲介手数料は、宅建業法によって上限が決められています。

賃貸借契約の場合は、貸主・借り主双方を合計して賃料の1カ月分に相当する金額が仲介手数料の上限です。たとえば、仲介した不動産会社は貸主から0.5カ月分、借り主からも0.5カ月分の報酬を得ます。

一方、売買契約の場合、売り主と買い主の依頼者からのそれぞれの報酬上限は「売買価格の3%+6万円」です。こちらは、手軽に仲介手数料を計算できる速算法(税別)です。
本来は、売買価格を200万円以下の部分、200を越えた400万円以下の部分、400万円を超える部分の3つに分け、それぞれ5%、4%、3%を乗じて合算します。
つまり、売り主と買い主の双方から依頼された不動産会社が仲介した場合は、最大、売買価格の6%+12万円の報酬を受領します。

崩れつつある上限固定の仲介手数料

住宅を3000万円で購入した場合、仲介をした不動産会社は、売り主、買い主のどちらか一方もしくは両者から、仲介手数料の上限として一方の場合96万円、両者からであれば192万円(いずれも税別)を受領することが認められています。あくまでも上限ですから、この金額を超えなければ、仲介手数料は各不動産会社が自由に決定できます。

では、実際には、仲介手数料の相場はいくらなのでしょうか。土地総合研究所「不動産業についてのアンケート調査(http://www.lij.jp/search/)」を参照します。この調査は、平成27年1月に、全国の不動産会社247社が回答しました。


出所:「不動産業についてのアンケート調査 報告書」 土地総合研究所  P13「2-6.仲介業務の手数料額」より

まず、賃貸の仲介手数料を見ると、上限(賃料の1カ月分)未満は34%、上限は41%、上限を超える手数料率を受け取っているのが23%存在します。
土地総合研究所は、「企画料や広告料を名目に、上限を上回る仲介手数料を受け取る事業者も多い」と述べています。具体的には、借り主から報酬1カ月分、貸主から広告費として称して1カ月分、計2カ月分の報酬を得ているようなケースです。


出所:「不動産業についてのアンケート調査 報告書」 土地総合研究所  P13「2-6.仲介業務の手数料額」より

一方、売買の仲介手数料は、売買価格の3%未満は30%、3~4%未満26%、4%以上が43%存在します。土地総合研究所は、「3%を上回る仲介手数料が多くを占めていることから、『両手仲介』が多いことが示唆される」と報告しています。
『両手仲介』とは、自社の顧客である売り手の物件を、自社の顧客の買い手に仲介することによって、売り主と買い主の双方から仲介手数料をもらうことです。


出所:「不動産業についてのアンケート調査 報告書」 土地総合研究所  P13「2-6.仲介業務の手数料額」より

つまり、賃貸と売買ともに、仲介手数料の上限を得る不動産会社が多いものの、3割の不動産会社が値引きをしているということです。

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