ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

クッションフロア、複合・無垢木材から石材まで10種の床素材の適材適所(1/3ページ)

MieMie

2020/05/12

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

今回も前回に引き続き「居心地の良い空間作り」で扱うインテリアのベースカラー(基調色)の材料の1つ「床材」のお話です。

前回は床材として必要な【5つの耐久性】の「耐摩擦性」「耐水・耐薬品性」「耐変退色性」「耐光性」「耐熱性」ついて。そして、【5つの機能性】の「安全性」「歩行感・キャスター走行性」「遮音性」「断熱性」「防汚性・メンテナンス性」という2つの要素における、代表的な床材の「クッションフロア」「複合木材」「無垢木材」「カーペット」「タイルカーペット」「畳」「フロアタイル(ポリ塩化ビニル)」「コルクタイル」「磁器タイル」「石材」について。

この2つの視点から具体的な例を挙げて、それぞれの適性について簡単に解説しました。

今回はさらに一歩進めて、素材ごとに何を基にどのように作られ、何と呼称されているものなのか、といったお話をしていきます。今回は、代表的な10種の床材の詳細と適性についてお話をしていきます。

1.「クッションフロア」

クッションフロアはプラスチック系床材の1種で、塩化ビニル樹脂に可塑剤(合成樹脂やゴムなどの高分子物質を軟らかく加工しやすくする物質)、安定剤(加工の際に熱による分解を阻止してプラスチックの劣化を防ぐ物質)、充填剤(熱による伸縮を抑えて寸法を安定させる物質)、顔料を加えて成型したシートです。特徴は発泡層のある素材で、表面にはビニルを積層し、凹凸のエンボス加工を施した幅広で長尺のものを総称してクッションフロアと呼びます。目地の溶着が可能なために、継ぎ目のない床面を作れることが大きな特徴で汚れにも強く歩行感が良いので公共の建物用から住宅用としても多く用いられています。

2.「複合木材」

複合木材は表面、裏面、側面、木口(きぐち)面に「実(さね)はぎ」などの加工が施されている積層材や合板などの有機質材。樹脂などの無機質材を基材としてその表面に、見栄えのするチーク、オーク、ケヤキ、桜、樫、カバ、ブナ、ナラなどの美しい天然木の薄い板が張られているものがあります。一般的なフローリング床材と言えば解り易いでしょう。 

3.「無垢木材」

無垢木材とは、文字通り100%有機質材である天然の木質床材のことです。洋室で使用される木材は主にメイプル、カリン、メンガリス、ケンパス、メルボー、ラバウッド、桐、楠、栗などがあります。一方、和室には使用される木材は主に檜、松、杉などが用いられます。室内の無機質材から発生しているとされる樹脂などに混入された化学物質が起因と考えられているシックハウスや環境ホルモン対策の選択肢としても無垢木材は需要があります。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

MIE色彩研究社代表

自由が丘産能短期大学能率課インテリアコーディネーター課程卒業。産業能率大学情報マネジメント学部卒業。東京商工会議所カラーコーディネーター検定試験認定講師。電子機器製造メーカー、産業機械商社に勤めながら、社会人学生として産業心理学を学び、色彩と人間の意識との深い結びつきに共感。さまざまな社会経験を通して、色彩と人の意識に関わる数多くの実証の基、色彩スペシャリストとして事業を展開。東京都中央区銀座のオフィスではこれまでに培ったパーソナルカラー、空間色彩、商品色彩、カラースクール、色彩セミナーなどを個人、法人を問わず全国で行っている。趣味は街散策。

ページのトップへ

ウチコミ!