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床材の失敗しない選び方――5つの「耐久性」と「機能性」で選ぶ

Mie

2020/04/19

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自然素材から事項素材まで――広がる床材の選択肢

今回からは「居心地の良い空間作り」で扱うインテリアのベースカラー(基調色)の材料について、解説していきます。まずは「床材」のお話です。

床は壁や天井と比較すると、直接、人が接触する部分で、しかも、人が動作しながら触れる部分です。そのため視覚的な美しさと同時に物理的な特性も考えなければなりません。床材は、その国や地域の気候、風土、素材の生産性の高さなどから使われる部材?素材?が選ばれてきた、いわばその地域の歴史的な背景から定着してきものです。そのためそれぞれの国や地域によって、石材、木材、土材、植物素材、タイル材、レンガ材などさまざまな素材があります。

しかし、現代では、こうした自然素材に加え、人工素材も登場し多様な床材の選択が可能となりました。その結果、床材の選択は、空間の利用目的にあった素材選びが可能になっています。とはいえ、どんな床材であっても耐久性や機能性、メンテナンス性などが求められます。

例えば、沢山の来客がある空間の床材に淡い色彩でフワフワのボリューミーなラグマットや長毛のシャギー素材を敷き詰めたとしたら、せっかくのフワフワとしたゴージャスな質感も、美しい色彩も往来する人の重さと土足歩行によって、短時間でフワフワ感は圧縮されてなくなり、美しい色彩も汚れてしまい、メンテナンスに大変手が掛かかります。

床材の性能は、その空間の用途に適した「耐摩擦性」「耐水・耐薬品性」「耐変退色性」「耐光性」「耐熱性」といった5つの耐久性、「安全性」「歩行感・キャスター走行性」「遮音性」「断熱性」「防汚性・メンテナンス性」の5つの機能性が求められ、これを目安に考えると良いでしょう。

5つの耐久性、適材適所

では、5つの耐久性、5つの機能性についてそれぞれを解説していきましょう。

5つの耐久性の「耐摩擦性」とは、例えば人間の歩行やキャスター(車輪付き)の機器の移動。重みのあるインテリアや機器などを長期間、置いたままの状態にするところでは、重みで床材が凹まないような固い素材を選ぶ必要があります。逆に物を落としたり、人が転ぶ可能性のある場所では衝撃を和らげる衝撃吸収性能、柔軟性などのある素材選ぶことがポイントです。

こうした耐摩擦性の高い素材としてはクッションフロアやタイルカーペット、磁器タイルなどがあります。

「耐水・耐薬品性」とは水に濡れやすいところで、水回りはもちろんのこと、気候による床下からの湿気や湿度による腐食や、めくれ、膨れ、カビなどの発生やすい箇所もこれにあたります。そのため掃除の際に漂白剤やカビ取り剤など家庭用薬剤や洗剤を使用した際の影響の少ない素材を選ぶのがポイントになります。耐水・耐薬品性の高い素材としてはポリ塩化ビニルタイルや磁器タイル、クッションフロアなどがあります。

「耐変退色性」とは、直射日光や薬剤、化学物質などを床に使用した際に変色や退色するところで、こうした心配の少ない素材を選びます。耐変退色性の高い素材としては磁器タイルやポリ塩化ビニルタイル、木材(無垢)などがあります。

「耐光性」とは、文字どおり太陽の光や照明が長時間当たることで、色アセや、変色することです。使用箇所にもよりますが、ウレタン樹脂系などの素材はこうした影響を受けやすい素材です。そこで耐光性の強い素材としては石材や磁器タイル、木材(無垢)などがあります。

「耐熱性」とは、床暖房、ホットカーペット、ファンヒーター、ストーブなどによる長時間暖房による変質、劣化、変退色や、タバコ、マッチ、ロウソクなど火によるコゲや火災に結び付かない素材です。耐熱性の高い素材としては磁器タイルや石材、ポリ塩化ビニルタイル、などがあります。

5つの機能性、適材適所

「5つの機能性」の「安全性」とは、衛生的であること(汚れにくい、雑菌が付きにくい、カビやダニなどが発生しにくいなど)、家庭用薬剤、化学物質、熱などで変質しないこと素材です。また、火災時に有毒ガス代が発生しない。水回りや玄関など濡れた状態や室内でスリッパを履いた状態でも滑りにくいことも求められます。さらに万が一、転倒しても衝撃吸収性がある素材です。安全性の高い素材としてはコルクタイルやクッションタイル、タイルカーペットなどがあります。

「歩行感・キャスター走行性」とは靴、またはスリッパを履いても歩きやすい、車輪付きのイスやインテリアの走行性の良い素材です。歩行感・キャスター走行性の高い素材としてはコルクタイルや木材(無垢)、ポリ塩化ビニルタイルなどがあります。

「遮音性」とは床に物を落としたり、歩行時や走行時の際に発生する音を小さく、または吸音する素材のことです。例えば、カーペットであれば毛足の長い素材を選ぶ事で音を吸収しやすくなります。遮音性の高い素材としては、こうしたカーペットのほか畳やコルクタイル、クッションタイルなどがあります。

「断熱性」とは省エネルギーや地球温暖化などの環境に配慮した冷暖房効果の高い材料で、床材内に小さな気泡を蓄えているコルクタイルやクッションフロアの床などがそれにあたります。また、床材外部に小さな隙間を抱えているカーペット敷きの床なとも断熱性の高い材料に含まれます。このほかの高い素材としては、木材(無垢)や畳、コルクタイルなどがあります。

「防汚性・メンテナンス性」とは床はインテリアの中でも最も汚れやすい為、空間の使用目的や使用頻度に対してメンテナンスに手が掛からず清掃しやすい、あるいは汚れにくい素材です。防汚性・メンテナンス性の高い素材としてはクッションフロアやポリ塩化ビニルタイル、磁器タイルなどがあります。

床材を選ぶ際には、その場所それぞれに合わせて「5つの耐久性」「5つの機能性」を考えながら選んでください。

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この記事を書いた人

MIE色彩研究社代表

自由が丘産能短期大学能率課インテリアコーディネーター課程卒業。産業能率大学情報マネジメント学部卒業。東京商工会議所カラーコーディネーター検定試験認定講師。電子機器製造メーカー、産業機械商社に勤めながら、社会人学生として産業心理学を学び、色彩と人間の意識との深い結びつきに共感。さまざまな社会経験を通して、色彩と人の意識に関わる数多くの実証の基、色彩スペシャリストとして事業を展開。東京都中央区銀座のオフィスではこれまでに培ったパーソナルカラー、空間色彩、商品色彩、カラースクール、色彩セミナーなどを個人、法人を問わず全国で行っている。趣味は街散策。

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