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牧野知弘の「どうなる!? おらが日本]#3 バブル崩壊後の不動産と今後(6/6ページ)

牧野 知弘牧野 知弘

2018/04/20

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不動産はソフトの時代へ

こうした変化の波の中で、現在は2年後に迫った東京五輪を前に、東京をはじめとした大都市のあちこちで開発の槌音が響いている。グローバルマーケットに根差すようになった日本の不動産マーケットは住居などの実需が縮小するいっぽうで、インバウンドマネーなど新たな資金を呼び込むことで新たな成長ステージを築こうとしている。

平成の次の時代は、果たしてマネーだけを頼りにした相変わらぬハード中心の世界で不動産業は成り立っていくのだろうか。それとも自動車産業がガソリンから電気にといったコペルニクス的大転換を迎えようとしているように、不動産もハコの中身を問われる時代がやってくるような気がしている。それはすでにホテルやショッピングモールなどの隆盛に見られる萌芽が、民泊やリゾート、医療や介護施設などをも加えたオペレーショナルアセット(運営を伴う不動産施設)全盛の時代に大きく変化していくことをすでに時代は暗示しはじめているようにも映る。平成という激動期を経て不動産業界にもまた新しい時代が到来するのだ。

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この記事を書いた人

株式会社オフィス・牧野、オラガ総研株式会社 代表取締役

1983年東京大学経済学部卒業。第一勧業銀行(現みずほ銀行)、ボストンコンサルティンググループを経て1989年三井不動産入社。数多くの不動産買収、開発、証券化業務を手がけたのち、三井不動産ホテルマネジメントに出向し経営企画、新規開発業務に従事する。2006年日本コマーシャル投資法人執行役員に就任しJ-REIT市場に上場。2009年オフィス・牧野設立、2015年オラガ総研設立、代表取締役に就任。著書に『なぜ、町の不動産屋はつぶれないのか』『空き家問題 ――1000万戸の衝撃』『インバウンドの衝撃』『民泊ビジネス』(いずれも祥伝社新書)、『実家の「空き家問題」をズバリ解決する本』(PHP研究所)、『2040年全ビジネスモデル消滅』(文春新書)、『マイホーム価値革命』(NHK出版新書)『街間格差』(中公新書ラクレ)等がある。テレビ、新聞等メディアに多数出演。

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