「私も面会交流に後ろ向きだった」 離婚後の子育てで悩んでいるママへ伝えたい共同養育のこと(4/7ページ)
しばはし聡子
2018/05/31
──アメリカなど離婚の多い外国だとそういう場合が多いと聞きますね。
しばはしさん:
日本は離婚後は単独親権ですが、他国のほとんどは共同親権。離婚しても両方が親であり続けるのが当たり前です。だから、子どもの誕生日パーティーにいっぱいの家族がいて…石田純一ファミリーみたいな(笑)。子どもが事実を隠されることなく「そういうことなんだ」と、その年齢なりに分かるように理解していればいいのではないでしょうか。
──なるほど。隠すこと、嘘をつかれることで子どもは、「お父さんに捨てられたのかな、嫌われていたのかな」と想像してしまい、自分の本当の親はどこにいるのか気になる、そして、お母さんに質問できない状況で、一人で思い悩むようにさせてしまいますね。
しばはしさん:
知りたいけれどお母さんには聞けない。年齢問わず、理解できない幼児でも、「お父さんとはけんかして別れちゃったけど、お父さんもお母さんもあなたのことをいつでも思っているのよ」と説明するべきで、子どもに会わなくてもいいと思っているお父さんも子どもの親なのだから、逃げずに向き合い頑張ってほしいですね。
離婚をしても、両親で子育てをする「共同養育」 今の日本では認知されていない
──離婚のときに、別れても子どもを一緒に育てていくと決められないのですか。
しばはしさん:
離婚時には面会交流や養育費といったことを決めますし、共同養育計画を推奨するパンフレットが法務省からも発行されています。ただ、決めなくても離婚できるし、決めても守られていないのが現状です。
また、何回会えば共同養育できているという定義があるわけでもないので、子どもの悩み事、友人関係、進路とか恋愛相談とか節目節目で離れて暮らしている親も育児に関わっていく、お母さんにだけでなく相談できる環境が、子どもにとっては必要です。
世の中が子連れ離婚家庭を「ひとり親家庭」としてひとりで育てるための支援をすることだけに傾注すると、子連れ離婚が増え、より片親不要という風潮になっていってしまうことを懸念します。
この記事を書いた人
一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント
1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️