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「私も面会交流に後ろ向きだった」 離婚後の子育てで悩んでいるママへ伝えたい共同養育のこと(2/7ページ)

しばはし聡子しばはし聡子

2018/05/31

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──お子様もお父さんに会いたいとは言わなかったのですね。

しばはしさん:

はい。離婚後1年ほど経ち、自らのつらい離婚経験を無駄にしたくないという思いから、夫婦問題カウンセラーの資格を取得しました。

相談を受けるようになったのですが、面会交流のことを相談されても、自分自身が乗り越えてられていないので対応ができないことに気づきました。「これでは駄目だ」と思い、とある面会交流支援団体のボランティアで、顔を合わせたくない両親の間に入ってお子さんを預かって、お父さんに会わせるために連れて行くお手伝いをしたのです。

待ち合わせ場所に行くと、お母さん側は怖い顔をして嫌そうな表情で子どもを連れて来ています。子どもはじめは強張った表情でしたが、お父さんに会った瞬間にすごい笑顔になり、お父さんも嬉しそうで。そういった他の家庭を見た瞬間に、私はそれさえ出来ていない。私は間違ったことをしているのだと気づいたのです。

すぐに、今まで拒絶していた元夫にメールをして突然「子どもをご飯に連れて行ってあげてください」とメールをしたら、驚くことに、今まで怖いと思っていた元夫から「もちろん。ありがとう!」と返事が来たのです。

そこからは前向きに会わせるようになり、あれよあれよという間に、子どもは明るく遠慮せずお父さんの話をするようになり、元夫も私に「ありがとう」を言ってくれる。私もその時間に仕事などに集中できる。私も離婚で傷つきつらかったけれど、夫婦関係は終わっても、夫婦間と親子関係を切り離し、向き合って乗り越えたら、その後のほうがストレスは減りました。

子どもへの虐待などがあるケースは別ですが、子どもにとっては会わせたほうがよいと分かっている。けれども、葛藤のあるお母さんの気持ちも分かる。でも乗り越えてよかった実体験もある。その両方の気持ちが分かった状態で、面会交流の大事さを伝えていきたいという思いでこの活動を始めました。

──実際はどのような活動をされているのですか。

しばはしさん:

別居や離婚後後の子育てに焦点を当てて、ご相談をお受けしたり、時には夫婦同席での気持ちの仲介も行っており修復するケースもあります。また、当事者向けの座談会の開催や行政を中心に講演などを行っています。

面会交流を「会わせなくても良い」ではなく「会うのは当たり前」、子どもにとっては離婚しても親がふたりというのは普通のことだと、社会の「固定観念」を変えていきたいと思っています。

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この記事を書いた人

一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント

1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️

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