中古マンションを購入するメリット・デメリットは? 不動産のプロが徹底解説!(4/7ページ)
菅 正秀
2017/11/02
中古マンションにはデメリットもある
ここまで、中古マンションのメリットを見てきましたが、もちろんいいことばかりではありません。デメリットも押さえておきましょう。
中古マンションのデメリットとしては、次の3つがあげられます。
<1>購入時諸経費は新築物件よりも高額
<2>好きな区画を選べない
<3>マンション自体の劣化や共用部・住宅設備導入に制限がある
それぞれについて見ていきましょう。
<デメリット1>購入時の諸費用は新築物件よりも高額
新築物件に比べると、購入時の諸費用が高額になる傾向があります。これにはふたつの要因があります。
ひとつは、「住宅促進税制」が使えるかという要因です。
国は住宅を購入する人に向けて、さまざまな税金の特例を設けています。新築マンションにはすべて適用されますが、中古マンションには物件によって一部使えないものもあります。
ただし、基本的には築25年以内の物件なら新築と同様の特例を受けることができます。
もうひとつは、仲介手数料がかかるかどうかの問題です。
一般に新築物件は、事業主が販売会社に「代理」という方法で分譲されています。これは宅地建物取引業法に規定があり、売り主が販売を担当する不動産会社に買い主分の手数料も負担する契約です。そのため、新築マンションを購入する人は、見た目上は、手数料を負担することなく購入できます。
ただし、実際は手数料を負担していると考えておいたほうがいいでしょう。「見た目上は」とご説明したのは、広告宣伝やモデルルームの費用と同様に、仲介手数料に相当する金額が、マンションの価格に原価として折り込みずみだからです。
この記事を書いた人
株式会社フェリーズディア 取締役チーフコンサルタント
宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。 1958年、大阪府大阪市生まれ。創価大学法学部卒業。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。 その後、顧客と一緒にモノづくりをするために、地域中小建設会社に移り、注文住宅・賃貸マンションの受注営業を担当。大手建設会社との競合が激しい中、操業以後に流入してきた近隣住民のクレームにお悩みの経営者さんに、不動産会社時代の人脈を使い工場の移転先を斡旋した上で、その跡地に93戸の賃貸マンション建設の受注をするなど、15年間で約32億円の受注する実績をあげる。現在は、建築にも明るい不動産コンサルタントとして、不動産会社のエスクロウ業務(契約管理)・新人社員指導等を行なっている。 一生に一度の買い物ともいえる住宅の購入をアシストできる人材を育成し、業界の健全な発展に貢献すべく活動中。