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マンション購入は賃貸よりもハイリスク?

人口減少時代のマンション購入、その5大リスクと対応策は? 「買ってはいけない」はどこまで正しい?(6/6ページ)

横山晴美横山晴美

2017/07/25

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<リスク5> 住民の高齢化、建て替えできない

高齢化が進んでいくなか、地域だけでなく、マンション住民の高齢化も想定されます。住民が高齢化して管理組合が機能しなくなる、築年数が経過して住民が減っていく、といった懸念があります。

人が減ると修繕費の積み立ても減るため、建物のメンテナンスが疎かになる、最悪の場合は老朽化したマンションの建て替えができない、ということも想定されます。

対策:住み替えも視野に入れておく
残念ながら、そこまで状況が進んでしまってからでは問題の解決はむずかしいでしょう。ですから、そうなる前に売却して、より環境のいいマンションへ移り住むほうが建設的と言えるでしょう。

地域に根ざす一戸建てと違い、マンションにはある程度の身軽さもあります。沈みゆく船に残らないよう、購入後も常に自分のマンションの価値に目を光らせていましょう。

それでもマンション購入はおすすめできる

ここまで、マンション購入に関わる5つのリスクをご紹介しました。こうしてみると、マンションはリスクだらけのように見えるかもしれません。

しかし、賃貸にもリスクはあります。たとえば、年老いたときに、経済的な事情から賃料を払い続けることができなくなるリスク、保証人がおらず賃貸契約が結べないリスクなどが考えられます。

賃料は物件や経済環境によって変動しますが、持ち家であれば将来にかかる住宅費のおおよその見通しが立てられますので、老後の家計収支も見通しがつけやすくなるでしょう。

仮に、経済環境が変わってインフレになった場合、賃貸に住んでいれば家賃が大きく値上がりすることも考えられます。一方、住宅ローンを全期間固定型で組んでいれば、金利は変動しないので、相対的に借金の負担は小さくなります。

現在の低金利を活かして、全期間固定型で無理のないローンを組んでおけば、インフレに対するリスクヘッジにもなり得ると言えるでしょう。 

また、購入したマンションは資産です。もちろん、購入する物件は選ばなければなりませんが、売却してまとまったお金に換えることもできますし、賃貸に出して家賃収入を得ることも可能です。

マンション購入にはリスクが伴うことは間違いありません。ですが、どんなリスクがあるのかを把握しておけば、対策を講じることも可能です。

そして、自分の家があるという安心感は、何ものにも代えがたいものです。

マンション購入に前向きな気持ちをお持ちであれば、リスクに備えることは大切ですが、必要以上に怖がることなく、ご自身のライフプランに合わせて購入を決められることをおすすめします。

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この記事を書いた人

ライフプラン応援事務所代表

ファイナンシャルプランナー(AFP)、住宅ローンアドバイザー。企業に属さない独立系FPとして、2013年ライフプラン応援事務所を立ち上げて以降、住宅相談を専門に扱う。マイホーム相談では保険見直し、教育費、退職後プランなど総合的な視点で資金計画、および返済計画を考案。相談業務のほか、セミナー講師、執筆業など情報発信、啓蒙活動にも力を入れている。 「自分の家計は自分で守る」をモットーに、丁寧でわかりやすい面談が好評。 また、給付金や控除など、消費者のための制度を調べるのが得意で、「ここが使いにくい」「誰のための制度なのか」などとケチをつけるのが好き。

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