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「こんなはずじゃなかった!」とならないために

中古マンション購入で失敗! ありがちな5つのケースと注意点をプロが解説(4/5ページ)

菅 正秀菅 正秀

2017/05/30

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<5>ちょっと背伸びして購入したものの、家計が火の車に!

マンションを購入するというイベントは、一生のうち何度もあるわけではありません。ですから、マンションの買い方がうまい人というのはまずいらっしゃいません。

多くの方が頭を悩まされるのが予算の問題です。もちろん、みなさん予算を決められて物件を探し始めるのですが、気になる物件をいくつか内見しているうちに、「ちょっと予算オーバーだけど、このマンションがいいな」という話になることがよくあります。

マンションの価格は正直です。いまは情報がネットワーク化され、共有できるようになっていますから、ちょっと検索すれば過去の取引履歴や周辺の取引事例がわかります。そのため、大きく相場から外れた価格がついている物件はまずありません。

ですから、値引き交渉をした場合でも、もちろん多少の値引きはしてもらえることはありますが、よほどの事情がない限り、何百万円という大きな値引きをしてもらえることはまずないでしょう。

しかも、数千万円という大きな金額を見続けるため、感覚がマヒしてしまうのでしょうか、100万円、200万円の予算オーバーについても「これくらいならなんとかなるかな」という気持ちになってしまう方が少なくありません。

また、現在は低金利時代ですから、住宅ローンの借入れが100万円増えても、毎月の支払いは1000円、2000円しか増えません。

その結果、「せっかく購入するのだから、ワンランク上のマンションにしよう!」となるケースが多いのです。

しかし、住宅ローンとは長い付き合いになります。30年、35年といった長い期間、返済を続けることになります。その間に、住宅設備の故障や取り替え、リフォーム、修繕積立金の値上げなどがあることもあるでしょう。また、ご自身の家庭環境の変化もあるかもしれません。

購入を決めた時は、気分も高揚しています。しかし、時間を置いて一度冷静になることをおすすめします。35年とはいかなくても、最低でもこの先10年間ぐらいの家計のシミュレーションはしておきましょう。

特に共稼ぎのご夫婦の場合は、ずっと共働きを続けられるかどうかを慎重に考えておきましょう。

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この記事を書いた人

株式会社フェリーズディア 取締役チーフコンサルタント

宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。 1958年、大阪府大阪市生まれ。創価大学法学部卒業。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。 その後、顧客と一緒にモノづくりをするために、地域中小建設会社に移り、注文住宅・賃貸マンションの受注営業を担当。大手建設会社との競合が激しい中、操業以後に流入してきた近隣住民のクレームにお悩みの経営者さんに、不動産会社時代の人脈を使い工場の移転先を斡旋した上で、その跡地に93戸の賃貸マンション建設の受注をするなど、15年間で約32億円の受注する実績をあげる。現在は、建築にも明るい不動産コンサルタントとして、不動産会社のエスクロウ業務(契約管理)・新人社員指導等を行なっている。 一生に一度の買い物ともいえる住宅の購入をアシストできる人材を育成し、業界の健全な発展に貢献すべく活動中。

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