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「こんなはずじゃなかった!」とならないために

中古マンション購入で失敗! ありがちな5つのケースと注意点をプロが解説(3/5ページ)

菅 正秀菅 正秀

2017/05/30

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<ケース3>厳しすぎるマンション内ルールにガックリ… 

やっと引渡しが終わり、心を躍らせながら引っ越してみると、駐輪場に使用時間があって自由に使えない、駐車場に車の重量規制があって大きな車に買い替えられない、ペットの飼育が禁止されていたなど、購入したマンションには予想外の厳しいルールがあった…という話もよく聞くことです。

マンションは共同住宅であり、多くの世帯がそこに住むことになります。そこで、マンションにはそのマンションのルールである「管理規約」というものがあり、そこにはマンションの共用部はどこまでなのか、その共用部をどのように維持管理するのか、共用部をどういうルールで使用するのかといった、さまざまな約束ごとが書かれています。

また、管理規約では定めきれない細かな使用方法や禁止事項などは、別に「使用細則」が規定されており、この管理規約と使用細則によってマンションでの生活は大きく左右されると言っても言い過ぎではありません。

そのため、新築、中古を問わず、マンションを購入する前には、管理規約を確認しておくことをおすすめします。担当の不動産会社に言えば、管理規約の内容を調べてくれますし、実際に管理規約を見せてもらうこともできます。

もちろん、実際に中古マンションを購入する場合は、元の持ち主からの引き継ぎで、管理規約・使用細則を受け取ることができます。

(関連記事)
マンションライフを大きく左右することも! 管理規約をチェックする10のポイント

<ケース4>入居してすぐに大規模修繕工事、さらに修繕積立金の値上げが!


© oka – Fotolia

やっと入居して快適な生活が始まると思ったのに、マンションの大規模修繕が始まってしまった。多くの工事関係者が出入りするし、バルコニーには足場が建てられ、窓も開けられない…。

マンションでは10〜15年に1回の間隔で大規模修繕が行なわれます。住宅も、車と同じでメンテナンスが必要です。

一戸建てであれば、修繕はすべて自分が計画して、自分の費用で行なわなければなりませんが、かわりに自分の好きなタイミングで実施することができます。しかし、マンションの場合は、管理組合の合議で修繕計画を決めて、費用は、毎月徴収している修繕積立金(あなたを含むみんなのお金)で賄われます。

通常、マンションには長期修繕計画というものがあります。その計画に基づいて、修繕積立金をいくら徴収するのか、その額が決まり、時期がきたら大規模修繕が行なわれます。

ここでひとつ知っておいていただきたいのは、新築マンションが分譲されるときには、修繕積立金の額をわざと低めに設定しているケースがあるということです。そうすることで、割安感を演出することができるため、不動産会社が販売政策の一環として修繕積立金の額を安めに設定して販売するのです。

当然、そのままでは修繕積立金は不足しますから、後々、値上げをしなければならないという事態に陥ってしまいます。

それ以外にも、景気の影響を受けて積立金の運用が予定通りにいかなかったり、工事費用が高騰したりといった理由から、計画通りの大規模修繕の費用を確保できず、修繕積立金を値上げしなければならなくなる場合もあります。

中古マンションを購入するときには、不動産会社から、管理費・修繕積立金の値上げ予定があるかどうか、直近で大規模修繕の予定があるかどうか、また、その時点での修繕積立金の累計額などが説明されます。

これは、重要事項説明として、マンションの管理会社が提出する「重要事項に係る調査報告書」に基づいて説明を行なうことが不動産会社に義務づけられているものです。

後で後悔することのないよう、十分にチェックしておきましょう。

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この記事を書いた人

株式会社フェリーズディア 取締役チーフコンサルタント

宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。 1958年、大阪府大阪市生まれ。創価大学法学部卒業。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。 その後、顧客と一緒にモノづくりをするために、地域中小建設会社に移り、注文住宅・賃貸マンションの受注営業を担当。大手建設会社との競合が激しい中、操業以後に流入してきた近隣住民のクレームにお悩みの経営者さんに、不動産会社時代の人脈を使い工場の移転先を斡旋した上で、その跡地に93戸の賃貸マンション建設の受注をするなど、15年間で約32億円の受注する実績をあげる。現在は、建築にも明るい不動産コンサルタントとして、不動産会社のエスクロウ業務(契約管理)・新人社員指導等を行なっている。 一生に一度の買い物ともいえる住宅の購入をアシストできる人材を育成し、業界の健全な発展に貢献すべく活動中。

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