ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

「こんなはずじゃなかった!」とならないために

中古マンション購入で失敗! ありがちな5つのケースと注意点をプロが解説(2/5ページ)

菅 正秀菅 正秀

2017/05/30

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

<ケース2>入居してすぐガス給湯器が壊れてしまった


© Paylessimages – Fotolia

先日、中古マンションを購入した知り合いから、「入居してすぐにガス給湯器が壊れて交換するために思わぬ出費が必要になった」という話を聞きました。

ガス給湯器に限らず、中古マンションを購入したものの、入居して間もなく住宅設備が壊れてしまったというケースは少なくありません。しかも、ガス給湯器であれば、取り替えると10万円以上はかかりますから、これは痛い出費となります。

中古マンションの売買は、法律上、「特定物売買」にあたります。どんなマンションであっても、世界中にふたつと同じマンションはありません。つまり、「特定物」です(これに対して、同じものがたくさん売られているようなものを「不特定物」といいます)。

そのため、その物を引き渡せばよく、引き渡し後に設備が壊れてしまっても、売り主は代替品を渡す必要はありません。

しかも、現状有姿(「現在あるがままの状態」、つまり契約時の状態のまま引き渡すということ)が原則です。中古車ディーラーから中古車を購入するのとは違い、保証はついていません。

実際、重要事項説明書や契約書には、

対象不動産は、中古物件のため、その付帯設備については経年変化及び使用に伴う性能低下、傷、汚れ等があります。対象不動産については引渡時の現状有姿とします。

という文言がよく入っています。

ちなみに、新築マンションを購入した場合であっても、設備についての保証は、1年間のメーカー保証だけです。住宅設備については、それぞれ耐用年数がありますが、実際はそれを過ぎても調子よく動いてくれるものもありますし、逆に耐用年数内でも壊れるときは壊れます。

引き渡し後、すぐに設備が壊れてしまったといのは、中古物件を購入する場合に当然についてくるリスクと言えます。

ですから、築年数が10年を超える物件を購入されるときは、設備の取り換え費用も予算に入れておくことをおすすめします。

次ページ ▶︎ | <ケース3>厳しすぎるマンション内ルールにガックリ… 

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

株式会社フェリーズディア 取締役チーフコンサルタント

宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。 1958年、大阪府大阪市生まれ。創価大学法学部卒業。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。 その後、顧客と一緒にモノづくりをするために、地域中小建設会社に移り、注文住宅・賃貸マンションの受注営業を担当。大手建設会社との競合が激しい中、操業以後に流入してきた近隣住民のクレームにお悩みの経営者さんに、不動産会社時代の人脈を使い工場の移転先を斡旋した上で、その跡地に93戸の賃貸マンション建設の受注をするなど、15年間で約32億円の受注する実績をあげる。現在は、建築にも明るい不動産コンサルタントとして、不動産会社のエスクロウ業務(契約管理)・新人社員指導等を行なっている。 一生に一度の買い物ともいえる住宅の購入をアシストできる人材を育成し、業界の健全な発展に貢献すべく活動中。

ページのトップへ

ウチコミ!