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不動産で後悔しないために知っておくべきこと

「物件の募集図面」を見れば不動産会社の裏側が手に取るようにわかる!(3/6ページ)

大友健右大友健右

2016/11/17

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隠された暗号を覗いてみると…


(図2)宅建業法にしたがったら手数料は3%のはずなのに…

でも、ここでは特別にその「オビ」をめくってみることにしましょう。
そこには、こんなことが記されています(図2参照)。

まず、左の枠線で囲まれた箇所には、「客付会社様へ」と書かれていますね。「客付(きゃくづけ)会社」とは、家を購入するお客さんを探してくる不動産仲介会社のことです。
ここには、客付会社に対して「捨看板、住宅情報誌の掲載」を禁止する指示が書かれていますね(「捨看板」とは、電柱や街路樹、ガードレールなどに貼り付けられた、ほとんど違法の屋外広告のこと)。

ここで注目していただきたいのは、右側の「手数料=6%」という文字です。
手数料のパーセンテージの下に「業法に従って下さい」と書かれていますが、実はこれは大いに矛盾したことなのです。

というのも、不動産の売買取引が成立すると、その取引を仲介した不動産会社には仲介手数料が支払われるのですが、「業法」すなわち宅建業法では物件価格が400万円を超える場合、物件価格の3%(正確には3%+6万円)を上回る仲介手数料を取ってはいけないと定められているからです。
ですから、「手数料=6%」という取り決めは宅建業法に違反しています。ところが、不動産業界には、この矛盾をうまく解消する便利な言葉があるのです。

それは、「AD」、すなわち「広告費」という言葉です。

どういうことかというと、業法にしたがった3%を仲介手数料として受け取り、残りの3%を広告費として計上するわけです。これが「業法に従って下さい」という注意書きの意味なんですね。
この上乗せされた3%を誰が負担するかといえば、それは、販売価格に上乗せされて、物件の購入者が負担することになると考えるべきといえるでしょう。

なお、売買取引の際、不動産会社がお客さんに見えないところでどんなことをしているかについては、次の記事に詳しくまとめてありますので、参考になさってください。

(参考記事)
業界の裏を知る私が教える不動産一括査定の賢い使い方
中古住宅がブームのいま、家を売ると大損する3つの理由

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この記事を書いた人

株式会社ウチコミ 代表取締役 株式会社総研ホールディングス 代表取締役 株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役 1972年生まれ。大手マンション会社で営業手法のノウハウを学んだのち、大手不動産建設会社に転職。東京エリアにおける統括部門長として多くの不動産関連会社と取引、不動産流通のオモテとウラを深く知る。 現在、株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役として、住宅リフォームを中心に事業を展開。また、株式会社ウチコミ 代表取締役として、賃貸情報サイト「ウチコミ!」を運営。入居の際の初期費用を削減できることから消費者の支持を集める。テレビ・新聞・雑誌などメディア出演も多数。

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