台風、大雨での車の損害――自動車保険でどこまでカバーされるのか?(1/3ページ)
平野 敦之
2020/08/12
©︎Piyawat Nandeenopparit・123RF
台風や大雨などで水害による車両に損害を受けることがあります。自動車もほとんど価値のない中古車から新車までさまざまですが、車両金額の高い自動車の場合、水害で全損になると被害は甚大です。
特に最近の新車は自動運転技術の導入などで以前と同じグレードの車種でも車両金額が高くなっています。高額な車両やカーローンなどを利用して自動車の購入をしている場合、保険による備えも一つの選択肢として考えておかなければなりません。
水害の損害に備えるには車両保険の加入が必要
自動車保険の補償は、第三者に対する損害賠償(対人賠償保険、対物賠償保険)、車に乗っている人の傷害(人身傷害保険等)、契約車両の補償(車両保険)、その他の特約で構成されています。
事故や水害などによる車両損害に備えるためには車両保険への加入が必要になります。なお、自動車保険における全車種平均の車両保険の加入率は、2018年度末で45.1%です。他の補償の加入率は、対人賠償保険(74.8%)、対人賠償保険(74.9%)、人身傷害保険(69.8%)で、これらに比べると低い数字です(出典:損害保険料率算出機構 2019年度版自動車保険の概況)。
車両保険の加入率が低いのは、保険料が高いこと、年数が経過した車両は車両金額が低くなることなどが関係していると考えられます。しかし、同統計での推移をみると、車両保険の加入率は2009年度末で41%でした。この10年間で少しずつ車両保険の加入率は上昇しています。
この記事を書いた人
平野FP事務所 代表 CFP ®認定者、1級FP技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
東京都出身。証券会社、損害保険会社を経て実務経験を積んだ後に1998年から独立して活動をはじめてFP歴20年以上。また相談業務を受けながら、中小企業の支援にも力を入れている。行政機関や大学での非常勤講師、企業研修などセミナーや講演も多数。メディアでの執筆記事も多く、WEBに公開されているマネー記事は550本以上。2016年にお金の情報メディア「Mylife Money Online」の運営を開始。主な著書に「いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)」がある。誰もが自分らしい人生を安心して豊かに過ごすため、「お金の当たり前を、当たり前に。」をモットーに活動中。「Mylife Money Online」のURLはコチラ→ http://mylifemoney.jp