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快適で持続可能な社会のつくり方とは?

「全米でいちばん住みたい都市」のDIYリノベーションは日本とこんなに違う!(6/6ページ)

馬場未織馬場未織

2017/11/09

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ポートランドでは、街全体が同じ価値観を共有している

9月はじめにポートランドに行ってから、2カ月あまりたちました。

なかなか言語化できなくて、報告めいたことをするのはこの記事が初めてです。

ポートランドが「全米でいちばん住みたい都市」に選ばれている理由は、都市と自然の近さであったり、街の居心地の良さであったり、アメリカではめずらしく歩いて暮らせたりと、さまざまな理由があげられていますが、それ以前に、この街には背骨が1本通っていると感じます。

ストローからリビルディングセンターまで、持続可能な社会をつくろうとする意志です。

「街」という多様な人を抱えるまとまりが、全体として大きく同じ価値観を共有し、それぞれの課題の解決に向けて動きをつくっている。それが、「居心地の良さ」の源なのではないかと感じました。

自身が浸かっている日常から一歩出たところにある気づきや違和感と向き合うのは、時にしんどいこともあります。その根幹にはたいてい、「こうなっちゃってる」と「こうなるべき」のせめぎ合いがあり、それを直視することはストレスでもあるからです。

ただ、その食い違いを静かに見つめ、できることなら少しずつ筋を通していく。そうすることで、心に曇りの少ない、本質的な部分で快適だと感じられる暮らしがつくられていくのだと思います。

 

 

 

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この記事を書いた人

NPO法人南房総リパブリック理事長

1973年、東京都生まれ。1996年、日本女子大学卒業、1998年、同大学大学院修了後、千葉学建築計画事務所勤務を経て建築ライターへ。2014年、株式会社ウィードシード設立。 プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約250往復以上する暮らしのなかで、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。 メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営、南房総市の空き家調査などを手掛ける。 著書に『週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~』(ダイヤモンド社)、『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』(共著・学芸出版社)など。

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