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快適で持続可能な社会のつくり方とは?

「全米でいちばん住みたい都市」のDIYリノベーションは日本とこんなに違う!(3/6ページ)

馬場未織馬場未織

2017/11/09

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ビニール袋がない、プレゼント用包装がない

同様に、買い物をしても、いわゆる“レジ袋”に入れられることがまったくない、ということにも改めて感じ入りました。買ったものは、そのまま渡されるか、紙袋に無造作に入れられて終わり。友人へのおみやげを買っても、せいぜい割れモノに紙の緩衝材が巻かれる程度で、見栄えよく包装されることもありません。

「お客さまに失礼のないように」とか「お客さまに喜ばれるように」が最優先の日本の現状とはだいぶ違います。

これも知りませんでしたが、カリフォルニア州、フロリダ州、ミズーリ州、アイダホ州、アリゾナ州、ウィスコンシン州、インディアナ州では、スーパー、日曜坂品店、薬局、スーパーコンビニ、酒店などでは無料のレジ袋配布を禁止しているそうです。

加えてサンフランシスコでは発泡スチロールのカップや容器、梱包材、ビーチ用玩具などに使われるポリスチレン類が禁止されているとのこと。

翻って日本の現状ですが、スーパーではノーレジ袋が浸透してきているものの、コンビニでレジ袋が有料になる日はまだ見えてきていません。さらに、意外においしいコンビニのコーヒーや、発泡スチロールの容器に入れるおでんを「容器持参で買う」ことになるような未来は、いつ来るでしょうか。

面白いのは、使い捨てのものがないことが普通の場所に一定期間いると、俄然こっちのほうが心地いいや、と思うようになることです。ビニール袋なんて、なくても生きていけるしね。

どう考えても、「お客さまの都合」より「地球の都合」を優先させる判断のほうが健やかですし、それがあるまとまったエリアの判断であることに大きな安心感を持ちます。

土に還らないものを、だらだらと使い捨てていく日常の違和感のなかに生きるより、「やっぱりみんなでやめちゃいましょう!」と決めてそうするほうが、よほど気持ちがいいことなんだなあ、と気づきます。

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この記事を書いた人

NPO法人南房総リパブリック理事長

1973年、東京都生まれ。1996年、日本女子大学卒業、1998年、同大学大学院修了後、千葉学建築計画事務所勤務を経て建築ライターへ。2014年、株式会社ウィードシード設立。 プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約250往復以上する暮らしのなかで、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。 メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営、南房総市の空き家調査などを手掛ける。 著書に『週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~』(ダイヤモンド社)、『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』(共著・学芸出版社)など。

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