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田舎の集落は小さいほど居心地がいい!?

田舎暮らしの人間関係、温かくて心地いい? それともめんどくさい?(2/5ページ)

馬場未織馬場未織

2017/05/18

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田舎暮らしの人間関係を整理してみると?

ぬくもりのあるつながりを求めて田舎に行く人もいれば、むしろ、日常の複雑なつながりに疲れて「自然豊かな=人口密度の疎(まばら)な」田舎に引っ込む、という人もいます。

いやはや。これは単に、受け止める側の感性によって田舎暮らしの人間関係のとらえ方が違う、ということなんでしょうか?

それとも、「あんなものはいや」と言っている人と「あれが好き」と言っている人とでは、見ている風景が違うのでしょうか?

ひとくちで「つながり」と言ってもいろいろありそうなので、疎(うと)まれがちな“ネガティブなつながり”と、望まれがちな“ポジティブなつながり”を分けて整理してみますね。

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田舎暮らしの人間関係【1】 「ポジティブ」なつながり

(1)近隣で困っている人がいたら助け合う

行政に頼ったり、外注で解決するのではなく、近隣が力を貸してくれるという関係の強さ。わたしは脱輪したとき、助けを求める前(ほんの5分後)にもう近所の方が来て助けてくれたことさえある。「お互いさま」の精神。

(2)顔を合わせる機会が多い

メールやSNSでのやりとりで合理的に解決することより、集まって顔を合わせて問題を共有し、合意形成をする場面が多い。

(3)収穫物など分け合う

農家ではなくても畑をつくっている人が多く、家で食べきれないものは分け合うのが常。たくさんいただき、とても助かる。

(4)いろいろな生活の背景を理解しあっている安心感

「あの家はおじいちゃんの介護が大変」「こっちの家は、この前病気をしてまだ全快していない」「あれやこれやで大変らしい」、と状況を把握しあっているため、その家に無理が生じないように慮る。

(5)お祭りが盛ん

コミュニティを体現するイベント。伝統があり、熱狂があり、美しく、「やっぱりここが好きだな」と強く思うことができる。

次ページ ▶︎ | 田舎暮らしの人間関係【2】 ネガティブなつながり 

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この記事を書いた人

NPO法人南房総リパブリック理事長

1973年、東京都生まれ。1996年、日本女子大学卒業、1998年、同大学大学院修了後、千葉学建築計画事務所勤務を経て建築ライターへ。2014年、株式会社ウィードシード設立。 プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約250往復以上する暮らしのなかで、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。 メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営、南房総市の空き家調査などを手掛ける。 著書に『週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~』(ダイヤモンド社)、『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』(共著・学芸出版社)など。

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