週末田舎暮らしあるある、4つの「こんなはずじゃなかった」をどう解決するか(4/5ページ)
馬場未織
2017/01/19
<4> 自然相手の暮らしの手ごわさを思い知る
自然のある暮らしの豊かさを求めて始めた週末田舎暮らし。
緑豊かなところっていいねえ~と写真を撮ったり、野山を散策したり、畑も始めてみたり。
と、都心と違うのどかな環境を満喫しはじめてほどなく、「うわ!」だの「えー!?」だの「なにこれ!」というハプニングにもぼちぼち遭い始めます。
せっかくつくった畑がイノシシに荒らされてぐちゃぐちゃに。
台風のあと、竹藪から枯れた竹が大量に倒れてきて道がふさがってしまった。
去年はいなかったのに、今年は毛虫大発生の年?
都市と違うのは美しい部分だけではありません。人間都合だけでできているわけではない環境ですから、不都合なことだって大いに起こり得ます。
都市では“ありえない”ようなことがフツウに起こり、どうするのよ! とクレームを言おうにも言う相手がいない。対応するのはほかでもない、自分です。
そして、周りを見ると、“ありえない”ことに淡々と向き合って、ちゃっちゃと手を動かして元の生活を取り戻している地元の人々の姿があります。望まぬ事態をハプニングと思うか、日常によくあることと思うかは、その暮らしの年季の入り方などによって違いますよね。
ちょっとやそっとのことでいちいち心がキュッとなったりせず、大らかに暮らしを楽しめるようになるには、経験とスキルが必要です。
困ったときに誰かに助けてもらうのは決して恥かしいことではありませんが、「自分でどうにかしよう」と頑張ってみることで、どんどん生活力が上がり、それに比例してストレスが減るのも事実です。ストレスは、解決可能性を自ら導き出せないときの心的負荷であることが多いですから。
この記事を書いた人
NPO法人南房総リパブリック理事長
1973年、東京都生まれ。1996年、日本女子大学卒業、1998年、同大学大学院修了後、千葉学建築計画事務所勤務を経て建築ライターへ。2014年、株式会社ウィードシード設立。 プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約250往復以上する暮らしのなかで、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。 メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営、南房総市の空き家調査などを手掛ける。 著書に『週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~』(ダイヤモンド社)、『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』(共著・学芸出版社)など。