週末田舎暮らしあるある、4つの「こんなはずじゃなかった」をどう解決するか(3/5ページ)
馬場未織
2017/01/19
<3> DIY鬱(うつ)になってしまう
(c) hiroshiteshigawara – Fotolia
昔から憧れだった、古い民家をようやく手に入れた! 古いけれど、ボロいけれど、とっても安かったしね。自分の手で直しながら暮らしていけばいのさ。
そう思って、納得ずくで始めた週末田舎暮らしでも、心が折れそうなことは山ほどあります。
「現況渡し」の古民家は思ったよりも傷みが激しく、押し入れからは不用品が出るわ出るわで、新しい暮らしを楽しむまでに至らず。
ゴミの整理だけで何カ月経っているだろう…。
いつまでもいつまでも塗り終わらない壁…。
クライアントも施工者も自分なのにどんどん追い詰められてしまい、完了見通しの立たない不安から “DIY鬱(うつ)”になる人もいると聞きます。
たとえ賃貸物件でも、「自由に手を入れていいよ」と言われて大工仕事が存分にできることの多い古民家ですが、使われなくなってから年月の経った空間を直すのは思った以上に時間がかかることが多いですし、始めてみたらどんどん修繕箇所を見つけてしまってドハマリすることもあります。
そんなときは、ひとりで抱え込まず、誰かに応援をお願いするのがいいと思います。友人・知人に声をかけてDIYワークショップを開いたり、その地域でDIYの達人を何とか見つけ出してアクセスしたり。仲間を見つければどれだけ救われるか!
もちろん、「自分のことは自分でやるべきだろう、都合よく人に頼るなんて」という声もあるでしょうから、感謝と配慮は重要です。
大工仕事を一度はやってみたかったという人に練習の機会として提供するもよし、最後に楽しい飲み会で盛り上がるもよし、今度は相手のヘルプに行くもよし。
DIYを、仲間づくりのきっかけにできれば、暮らしの楽しみも増すはずです。
この記事を書いた人
NPO法人南房総リパブリック理事長
1973年、東京都生まれ。1996年、日本女子大学卒業、1998年、同大学大学院修了後、千葉学建築計画事務所勤務を経て建築ライターへ。2014年、株式会社ウィードシード設立。 プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約250往復以上する暮らしのなかで、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。 メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営、南房総市の空き家調査などを手掛ける。 著書に『週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~』(ダイヤモンド社)、『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』(共著・学芸出版社)など。