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フェーズフリーとは――「普段」が「備え」になる防災のための新たな概念(4/4ページ)

朝倉 継道朝倉 継道

2021/08/04

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フェーズフリーは人生の危機にも対応?

ところで、こうしたフェーズフリーだが、考えを少し広げてみるのも面白い。

すなわち、フェーズフリーがつなげる日常と非常時のうちの「非常時」を災害のみならず、人生のリスク全般と仮定してみるのはどうだろう。

例えば、インカムをマルチに持つという生き方だ。

複数の収入源からの収入で普段の生活を安定させている人は、そのひとつを失っても致命傷とはならない。まだ残りがある。

つまりは、失業という非常時においての耐性が豊富な、フェーズフリーな力をもつということになるわけだ。

また、発展途上国などでは、外国語の習得が、個人の日常を充実させつつ、人生における切実な生き残りの手段となっていることが多い。その傾向は、やがて日本でも、人口減少や市場のグローバル化が進むにつれ、少しずつ表れてくることになるのかもしれない。

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この記事を書いた人

コミュニティみらい研究所 代表

小樽商業高校卒。国土交通省(旧運輸省)を経て、株式会社リクルート住宅情報事業部(現SUUMO)へ。在社中より執筆活動を開始。独立後、リクルート住宅総合研究所客員研究員など。2017年まで自ら宅建業も経営。戦前築のアパートの住み込み管理人の息子として育った。「賃貸住宅に暮らす人の幸せを増やすことは、国全体の幸福につながる」と信じている。令和改元を期に、憧れの街だった埼玉県川越市に転居。

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