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【京都で愉しむセカンドライフ】五感で味わう日本酒――酒蔵めぐりの愉しみ(2/2ページ)

奥村 彰太郎奥村 彰太郎

2020/12/09

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歴史と文化を感じる酒蔵めぐり

酒蔵を訪ねるのも楽しみだ。見学できない蔵が多いが、丁寧に案内してくれる蔵もある。

松本酒造は江戸時代から続く老舗。桂川の土手沿いに建つ蔵は大正時代に作られた木造で、登録有形文化財に指定されている。「蔵は老化しても蔵内は老化させるな」という扁額が酒蔵の入口にかかっていて、常に革新的な酒造りを行っていく気構えを感じる。「澤屋まつもと守破離」といった人気ブランドを醸している。登録有形文化財の迎賓館があり、庭には秀吉時代の橋脚の一部が庭石として使われて、座敷には円山応挙が描いたご先祖様の肖像画が飾られている。


松本酒造

1675年創業「月の桂」の増田徳兵衛商店は、伏見でも最古の歴史を持つ酒蔵。利き酒をワイングラスでいただいた後で、幕末の鳥羽・伏見の戦いの際に庭に着弾したという砲弾を見せてもらった。円錐形の鉄製で表面に円形の突起がついていて、手にするとズシっとした重さを感じる。

伏見にある「蒼空」の藤岡酒造は一旦廃業した蔵を、平成14年に5代目蔵元が再興した伏見の中でも小さな酒蔵。仕込み蔵のタンクがガラス越しに見えるバーカウンターがあり、蒼空ブランドの酒の飲み比べができる。


藤岡酒造の酒蔵バー

出町柳駅近くにある松井酒造は、「神楽 KAGURA」という銘柄を醸している。蔵見学にうかがった際、酒を搾る前の醪(もろみ)段階の濁り酒を試飲させてもらい、口の中でプチプチ感を味わうという貴重な体験ができた。松尾大社で毎年開催される「酒-1グランプリ」で、3年前に「神楽」が優勝している。


松井酒造の神楽


斎藤酒造の蔵開き

毎年10月下旬には伏見の「英勲」齊藤酒造や「富翁」北川本家などで蔵開きが行われるが、今年はコロナ禍で蔵開きなど様々な日本酒イベントも中止になった。

安心して、蔵めぐりができる日が来ることを願っている。


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この記事を書いた人

ファイナンシャル・プランナー&キャリア・カウンセラー

1953年東京生まれ、東京都立大学卒業、株式会社リクルートに入社。進学や住宅の情報誌の営業や企画・人事・総務などの管理職を務め、1995年マネー情報誌『あるじゃん』を創刊。発行人を務めた後、2004 年 ファイナンシャル・プランナー&キャリア・カウンセラーの資格を活かし、“キャリアとお金”のアドバイザーとして独立。企業研修の講師や個別相談を中心に活動中。大学の非常勤講師も務める。東京と京都のデュアルライフを実践中。

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