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【京都で愉しむセカンドライフ】京都国立博物館――名品鑑賞、庭園散策、カフェのひととき…秋日の過ごし方(1/2ページ)

奥村 彰太郎奥村 彰太郎

2021/09/30

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写真/奥村彰太郎

古の建物跡から現代建築まで

彼岸が過ぎ、秋の気配を感じる季節となった。食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋など、何をするにも過ごしやすい時期だ。今回は芸術の秋をテーマにした。

今回取り上げるのは、「京博(キョーハク)」の愛称で親しまれている「京都国立博物館」。ちなみに東京上野の東京国立博物館は「東博(トーハク)」と呼ばれる。

国宝や重要文化財を数多く所蔵する京都で最大の施設で、収蔵品は1万4600点余りにもおよぶ。明治30年に開館した煉瓦造りの本館「明治古都館」は、東京赤坂の迎賓館などを設計した建築家の片山東熊氏の作品で、国の重要文化財に指定されている。本館は現在免震改修のため、展示は新館の「平成知新館」で行われている。


本館「明治古都館」

2014年に開館した新館は、ニューヨーク近代美術館新館などを手掛けた建築家の谷口吉生氏の設計。


 新館「平成知新館」

「京博」の場所は東山七条に位置し、三十三間堂が向かいあう。

豊臣秀吉の創建した方広寺の跡地で、かつては広大な敷地に大仏殿が建てられ、奈良の大仏より大きな大仏が造られた。しかし、地震により倒壊、その後再建されるも火災で消滅。現在は当時の石垣や礎石跡が残っている。

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新館建設時の発掘調査により、方広寺回廊の礎石跡などが見つかり、設計変更が余儀なくされたとのこと。新館前の池の中やロビー周辺に、柱跡を示す◎の表示が目に留まり古に誘う。


方広寺大仏殿の石垣

国宝、重文、様々な企画展

「京博」ではさまざまな展示が行われるので、年に何度か足を運んでいる。

直近では、9月12日まで開催された特別展「京の国宝〜守り伝える日本のたから〜」を観に行った。

有名な国宝としては、俵屋宗達筆「風神雷神図屏風」が展示されていた。この屏風は建仁寺が所有しているが、本物は京博に預けられていて、建仁寺では複製しか見ることはできない。今回の特別展は50日間の開催だが、「風神雷神図屏風」は、わずか12日間のみの展示と別格の扱いになっていた。


特別展の入口案内

国宝・重要文化財等は1950年に制定された文化財保護法によって守られている。文化庁の資料によると2021年9月現在、国指定の重要文化財は美術工芸品1万807件、建築物2530件、うち国宝は美術工芸品897件、建造物228件ある。京都だけでも2199件の重要文化財と237件の国宝があり、京都の魅力を一段と高めているのかもしれない。

国宝・重要文化財の公開については決まりがある。

公開回数は年2回以内、公開日数は延べ60日以内、退色や劣化の危険性が高いものは30日以内と定められていて、温度22度、湿度は60%±5%、照明150ルクス以下などの適切な環境の下で公開することになっているそうだ。そのためか、国宝の絵画や襖絵などは劣化を防ぐため博物館に預けられ、寺院で普段は複製を見る機会が多くなった。

次回の特別展は「畠山記念館の名品〜能楽から茶の湯そして琳派〜」が、10月9日から12月5日まで開催される。

荏原製作所の創業者で数寄者の畠山一清氏のコレクションを集めた東京白金台にある畠山記念館が改築工事で休館のため、初めて関西で開催される。

信長、秀吉、家康と天下人が所持した国宝の名画や、重要文化財の茶入や茶碗など200件が公開される。

次ページ ▶︎ | 観るだけでなく、ゆったり過ごした空間

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この記事を書いた人

ファイナンシャル・プランナー&キャリア・カウンセラー

1953年東京生まれ、東京都立大学卒業、株式会社リクルートに入社。進学や住宅の情報誌の営業や企画・人事・総務などの管理職を務め、1995年マネー情報誌『あるじゃん』を創刊。発行人を務めた後、2004 年 ファイナンシャル・プランナー&キャリア・カウンセラーの資格を活かし、“キャリアとお金”のアドバイザーとして独立。企業研修の講師や個別相談を中心に活動中。大学の非常勤講師も務める。東京と京都のデュアルライフを実践中。

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