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『麒麟がくる』で登場、細川藤孝の素顔 常に勝ち馬に乗り続けてきた「遊泳術の天才」(1/2ページ)

菊地浩之菊地浩之

2020/04/06

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©︎123RF

大河ドラマ『麒麟がくる』に眞島秀和演じる細川藤孝(ふじたか)が登場してきた。

細川藤孝は三淵藤英(みつぶち ふじひで)の異母弟で、細川家の養子となった。本能寺の変の時に出家して幽斎玄旨(ゆうさい げんし)と名乗ったので、俗に細川幽斎と呼ばれる。

『麒麟がくる』では「才能より情熱」の人と描かれているようであるが、実際は才能の人だった。当代一流の歌人として「古今伝授(こきんでんじゅ)」を伝えられ、能楽に堪能。包丁さばきに優れた腕を披露した。その一方、大男で武芸に秀で、怪力の持ち主だったという。剣術を塚原卜伝(ぼくでん)、弓術を波々部(ははかべ)貞弘に学び、弓馬故実を武田信豊から相伝された、今でいう「資格マニア」だった。ただし、個人としての力量は優れていたが、武将(管理職)としての評価は高くなかった。

さらに、冷静で政治的な判断にすぐれていたことでも知られる。室町幕府の重臣から織田信長の家臣に鞍替えし、本能寺の変では親戚の明智光秀に与(くみ)せず豊臣秀吉に評価され、関ヶ原の合戦では徳川家康についた。すべて勝ち組に乗っており、後世の人は藤孝を「遊泳術の天才」と評した。しかも、子孫は肥後熊本藩54万石の大名となり、細川護煕(もりひろ)総理大臣の先祖としても有名である。

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この記事を書いた人

1963年北海道生まれ。国学院大学経済学部を卒業後、ソフトウェア会社に入社。勤務の傍ら、論文・著作を発表。専門は企業集団、企業系列の研究。2005-06年、明治学院大学経済学部非常勤講師を兼務。06年、国学院大学博士(経済学)号を取得。著書に『最新版 日本の15大財閥』『三井・三菱・住友・芙蓉・三和・一勧 日本の六大企業集団』『徳川家臣団の謎』『織田家臣団の謎』(いずれも角川書店)『図ですぐわかる! 日本100大企業の系譜』(メディアファクトリー新書)など多数。

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