定年後にマンション購入しても大丈夫? 留意すべき4つのポイントをお金のプロが教えます!(4/5ページ)
牧野寿和
2017/10/27
<ポイント3>住宅ローンを組む場合の注意点は?
前述したように一般的には住宅ローンの契約ができるのは65歳から69歳程度まで、完済も75歳から80歳までと決められています。その期間に完済できるようなローンの組み方をしなければなりません。
たとえば、65歳定年の人が、1500万円を返済期間15年、全期間固定金利型、年利1.5%で融資を受けたとします。その場合、毎月の返済額は8万9774円、総返済額は約1615万円となります。また、その他にも借入れの諸経費や、毎年の固定資産税、毎月支払う修繕積立金などもいります。
繰り返しになりますが、これだけの支出をして家計が成り立つかを、まず検証することが必要です。
住宅ローンの審査では、借りる人の収入などの「人的要件」と、購入物件が担保として価値があるかの「物的要件」がチェックされます。
住宅ローン審査を通るためには、家計状況に見合った金額を申し込むべきことはもちろんですが、審査の物的要件をクリアするために、物件価格に見合った十分な資産価値のある物件を選ぶことが大切です。
なお、中古マンションを購入した場合でも、所得税や住民税の一部が戻ってくる住宅ローン減税は適用されますが、
・自己居住用の床面積(登記簿面積)が50m2以上の住宅
・マンション等耐火建築物は25年以内に建築されたものまたは、一定の耐震基準、耐震基準適合証明書、住宅性能評価書の耐震等級1以上、既存住宅売買瑕疵(かし)担保責任保険契約が締結されている
などの要件に適合することが必要です。
物件選びでは、住宅ローン控除の要件を満たしているかどうかも、必ず確認しましょう。
この記事を書いた人
CFP、一級ファイナンシャル・プランニング技能士
1958年名古屋生まれ、大学卒業後、約20年間旅行会社に勤務。出張先のロサンゼルスでファイナンシャルプランナー(FP)に出会い、その業務に感銘を受け、自らもFP事務所を開業。 その後12年間。どの組織にも属さない「独立系」FPとして、誰でも必要なお金のことを気軽に考えてもらうため「人生を旅に例え、お金とも気楽に付き合う」を信念に、日本で唯一の「人生の添乗員(R)」と名乗り、個別相談業務を行なうとともにセミナー講師として活動している。 また、賃貸不動産の経営もしており、不動産経営や投資の相談にも数多くのアドバイスやプランニングをしている。