定年後にマンション購入しても大丈夫? 留意すべき4つのポイントをお金のプロが教えます!(3/5ページ)
牧野寿和
2017/10/27
<ポイント2>一括購入すべき? 住宅ローンを組むべき?
(c) polkadot – Fotolia
定年後に住宅ローンを組むのは不安という人も多いと思います。定年後のマンション購入は一括購入がいいのか、それとも住宅ローンを組むのがいいのか、どちらでしょうか。
その議論の前に、予算全体の話として、中古マンションを購入する場合には、物件価格や修繕積立金とは別に、部屋のリフォーム費用を念頭に入れておくことが必要と考えておいてください。築浅物件であれば、リフォームは不要かもしれませんが、基本的にはリフォーム費用を含んだ金額で資金計画を考えることをおすすめします。
一括購入をする場合、退職一時金を使うことはおすすめいたしません。退職一時金は老後の生活費となるお金ですから、それを使っても問題ないのは、退職一時金を住宅購入資金に充ててしまっても、十分に老後の生活をしていける場合に限定されると考えるべきでしょう。
一括購入をお考えであれば、現役中に現金の準備をしておく、もしくは退職後も一定の収入が見込めるなど、一括でそれだけの現金を支払っても老後の生活に支障がないか確認することが必要です。
一方、住宅ローンを組む場合は、年齢制限があることを忘れてはいけません。金融機関によって違いますが、一般的には住宅ローンの契約ができるのは、65歳から69歳程度までと決められています。また完済の時期も75歳から80歳と定められています。この期間で返済しても、生活資金が枯渇しないかの検証が必要です。
定年後は、一般的には現役のときより収入が減ります。主な収入となる公的年金、人によっては企業年金や個人年金の受給額を勘案して、老後の資金計画をしっかりと立てておきましょう。
また、一括購入する場合でも住宅ローンを組む場合でも、それまで住んでいた住宅を売却する、もしくは賃貸に出すなどして有効活用してください。
そして、何よりも現役中に購入のための貯蓄をするなど、しっかりと準備をした上で購入方法を決めなくてはなりません。
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この記事を書いた人
CFP、一級ファイナンシャル・プランニング技能士
1958年名古屋生まれ、大学卒業後、約20年間旅行会社に勤務。出張先のロサンゼルスでファイナンシャルプランナー(FP)に出会い、その業務に感銘を受け、自らもFP事務所を開業。 その後12年間。どの組織にも属さない「独立系」FPとして、誰でも必要なお金のことを気軽に考えてもらうため「人生を旅に例え、お金とも気楽に付き合う」を信念に、日本で唯一の「人生の添乗員(R)」と名乗り、個別相談業務を行なうとともにセミナー講師として活動している。 また、賃貸不動産の経営もしており、不動産経営や投資の相談にも数多くのアドバイスやプランニングをしている。