中古マンション購入で、おすすめの築年数は? 不動産のプロが4つのポイントで解説!(4/5ページ)
菅 正秀
2017/09/28
<ポイント3>不動産のプロが築年数をチェックするポイントは?
仲介の現場では、中古マンションを築年数ごとに細かく区分しているわけではありませんが、ふたつだけチェックするポイントがあります。
ひとつは、新耐震基準のマンションかどうかです。
建築基準法の大幅な改正が行なわれたのが、1981年6月1日です。新耐震基準をクリアしているマンションとは、「建築確認済証」の交付日がその日以降のマンションということです。
ただ、物件資料には建物が完成した年月は記載されていますが、建築確認済証を取得した日の記載はありません。
そこで、建物完成の年月から逆算する必要がありますが、完成が1983年以降であればまず問題ないと言えるでしょう。
まず、建築確認は工事着工前1カ月くらいに取得します。そして、工事期間ですが、マンション建物の建築には1階当たり約1カ月かかります。ですから、たとえば10階建てのマンションなら完成するまでにかかる期間は、約10カ月です。
このように、建築確認と工事期間を合計して、逆算すれば1981年6月1日以降の物件かわかります。また、当時は、超高層のタワーマンションはありませんでしたので、工事期間を考えても、完成が1983年以降であれば新耐震基準のマンションと考えて問題ないでしょう。
なお、逆算しても判断がむずかしい物件については、役所で「建築概要書」を取得して確認することができます。
新耐震基準プロがチェックするもうひとつのポイントは、築後25年が経過しているかどうかです。
マイホームには税制の特例がありますが、各種税制の優遇措置を受けられるのは、築後25年以内の物件に限定されています。
住宅ローン控除や、所有権移転登記などの登録免許税、不動産取得税、贈与税の非課税措置など税金の特例を受けられるかどうかは、中古マンションを購入する人にとっては大きな違いになるため、原則としては築25年を超えないマンションを購入されることをおすすめします。
ただし、築25年を超えていても、建築士による適合証明が取得できれば、税制の特例が使えるケースがあります。
この記事を書いた人
株式会社フェリーズディア 取締役チーフコンサルタント
宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。 1958年、大阪府大阪市生まれ。創価大学法学部卒業。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。 その後、顧客と一緒にモノづくりをするために、地域中小建設会社に移り、注文住宅・賃貸マンションの受注営業を担当。大手建設会社との競合が激しい中、操業以後に流入してきた近隣住民のクレームにお悩みの経営者さんに、不動産会社時代の人脈を使い工場の移転先を斡旋した上で、その跡地に93戸の賃貸マンション建設の受注をするなど、15年間で約32億円の受注する実績をあげる。現在は、建築にも明るい不動産コンサルタントとして、不動産会社のエスクロウ業務(契約管理)・新人社員指導等を行なっている。 一生に一度の買い物ともいえる住宅の購入をアシストできる人材を育成し、業界の健全な発展に貢献すべく活動中。