知らないとマズイ! 中古マンションにかかる仲介手数料とは? そのカラクリまで徹底解説(4/5ページ)
斎藤 岳志
2017/08/24
一方、元付と客付が同じ会社の場合もあります。Aさん(売り主)から自宅マンションの売却を依頼された不動産会社B社(元付)が、自社で中古マンションを探しているEさん(買い主)を見つけてくるパターンです。
この形で取引を成立させると、B社は自社だけで仲介をまかなえるので、Aさん(売り主)とEさん(買い主)の両者から仲介手数料を受け取ることができます。こうした取引を「両手取引(両手仲介)」と呼んでいます。
両手取引の場合、売り主・買い主のどちらからも上限の仲介手数料を受け取れば、不動産会社は大きな報酬を得ることができます。
(図2)両手取引で仲介手数料を割引するケース
ただ、前述の通り、仲介手数料については、その上限が決められているだけで、誰からいくらもらわないといけないというルールはありません。
ですから、「売り主からは上限額を受け取って、買い主からは半額だけ受け取る」とか、「売り主からも買い主からも半額だけ受け取る」といったこともできるのです。もちろん、「売り主からは上限額を受け取って、買い主は無料にする」といったことも可能です(図2)。
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ですから、「仲介手数料が無料」とか「半額」という謳い文句を出している会社だから信用できない、ということはありません。取引をしっかりとまとめてくれて、仲介手数料の値引きまでしてくれるのであれば、喜んで受け入れていいいでしょう。
ただし、「安かろう悪かろう」で、「仲介手数料の値引きはしてくれるけれど、取引はまったく進まない」といったように、受けられるサービスの質が低下してしまうのであれば本末転倒です。また、なかには仲介手数料は値引きするけれども、ほかの名目で費用を請求してくる会社もあるようなので注意が必要です。
もし、マイナスな気持ちを抱いた場合には、その会社に仲介を依頼するのは止めておいたほうがいいでしょう。
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
FPオフィス ケセラセラ横浜代表 百貨店在職中にファイナンシャル・プランナーの資格を取得。税理士事務所、経営コンサルティング会社などを経て、FPオフィス ケセラセラ横浜を開設、代表を務める。 マイホーム購入・売却相談のほか、不動産投資のサポートも行なっている。株式投資やFXなど一通りの投資を実践した後、2007年より不動産投資をスタート。現在は、自らの資産運用はほとんど中古マンション投資に絞って取り組んでいる。