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大家業をはじめた人が填まる落とし穴――資産バランスとチェック(1/2ページ)

斎藤 岳志斎藤 岳志

2021/01/21

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イメージ/©︎KAZUMA SEKI・123RF

この方法で大家業の感覚は磨かれる!

物件を購入し、入居者も入り、大家業がスタート。さて、その後、どうするか――。できればその後もさまざまな物件を見る中古マンション投資の「疑似物件探しと現地見学」を続けることをオススメします。

物件購入を考えている人はもちろんですが、そうでない方であっても、自分の物件があるエリア、気になるエリア、人気のあるエリアにどんな物件があるか。また、そのエリアの家賃相場、設備や仕様のトレンドなどをつかんでおくことは大家業を続けていく中で必要なことです。

私はこうした物件選びの疑似体験をするのが好きで、とくに購入を考えていなくて、気が向いたり、時間があるときは、ネットに掲載されている物件を検索して、見ています。また、良さそうなと思える物件は、実際にその場所を訪れて、物件はもちろんのこと最寄り駅、商店街、公園、公共施設など、その周辺や街歩きをしながら、自分がそこに住んだらどういう生活をするかなど想像しながら、現地見学を楽しんでします。

やはり、実際に足を運んで見て回ると新しい発見があります。そして、こうしたことをしていると、物件を選ぶ力がどんどんブラッシュアップされていきます。

こうして物件を見る目が養われていくと、1部屋目よりも2部屋目、2部屋目より3部屋目とより良いと思える物件と出会える確率が高くなってくるのです。

中古マンション投資で填まる落とし穴とは?

とはいえ、こうした物件選びが楽しくなってくると填まってしまう落とし穴があります。それが「物件欲しい病」です。

物件欲しい病は、私が名付けたものですが、私自身もなってしまったことがあるので、その気持ちはよくわかります。この“病気”の特徴は、持っている物件に入居者がいて、計画通り回っていると中古マンションの大家ほどよい投資はないので、とにかく次の物件所得に向けて自分の資産のすべてをつぎ込もうと思ってしまうようになります。しかも、マンション投資で成功している人ほど複数の物件を持っていて、自分も複数の物件を持ったほうがよいと思ってしまうのです。

実際、空室リスクを減らすためには、複数の部屋を所有するほうが有利です。しかし、自分の資産がすべて不動産というのは、避けるべきです。

そもそも中古マンションへの投資は、いろいろある投資の中の1つとしてはじめたはずです。しかし、そのマンション投資がうまくいっている中でさまざまな物件を見る「疑似物件探しと現地見学」をしていると、それこそ今持っている物件よりも良いと思える物件が目について、この物件ならこうして、ああしてと想像が膨みます。そして、これも欲しい、あれも欲しいとなってしまうのです。さらにこの病気が進行すると、資産運用が目的だったのに、物件を取得し増やすことが目的になる、いわば「物件コレクター」になってしまうのです。

こうなっては回りが何といっても聞き入れないようになってしまい、大きな問題が起こらないと目が覚めないということにも陥りかねません。ですから、何のための中古マンション投資なのか、その目的を常に意識し、資産内容のバランスをチェックしておくことがとても重要になってきます。

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この記事を書いた人

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

FPオフィス ケセラセラ横浜代表 百貨店在職中にファイナンシャル・プランナーの資格を取得。税理士事務所、経営コンサルティング会社などを経て、FPオフィス ケセラセラ横浜を開設、代表を務める。 マイホーム購入・売却相談のほか、不動産投資のサポートも行なっている。株式投資やFXなど一通りの投資を実践した後、2007年より不動産投資をスタート。現在は、自らの資産運用はほとんど中古マンション投資に絞って取り組んでいる。

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