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中古マンションの価格はこうして決まる

中古マンションの相場を自分で調べるには? 誰でも簡単にできるプロのやり方(4/5ページ)

秋津智幸秋津智幸

2017/05/23

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(3) (2)で検索した売り物件と比較して自分の物件の価格を割り出す

(2)で検索した売り物件の価格から、自分の物件のだいたいの価格を割り出します。

具体的には、自分のマンションに条件が近い売り物件の坪単価を計算し、条件に応じてその単価を調整して、自分の物件の面積をかけて価格を割り出すのです。ちなみに、平米から坪に換算するときは、「平米面積×0.3025=坪面積」となります。

これだけではわかりにくいと思いますので、事例を使ってご説明しましょう。

自己所有物件である物件Aと、物件B、物件Cの3つを比較して、物件Aの価格を算出してみます。

想定される価格を計算してみると?

3つの物件をそれぞれ比較してみると、自分の物件は角部屋という優位性はあるものの、築年は同等、ほかの面ではB、Cともそれぞれ優位性を持っていると言えます。

ただし、不動産の価格を決定する際には、最も重視されるのは「場所」です。つまり、立地がいい物件が最も価値が高いとされます。

次いで、「築年」、「建物内の位置」という順番で評価されるので、上の条件では、[1]→[4]の順番で優位性を考えることになります。

よって、駅から徒歩5分という物件Cは物件A、物件Bより不動産としての価値が高く、築年はほぼ同等なので、単価としては、概ね「C>A>B」となります。

ここでは、[3]の階層の違いや、[4]の角部屋かどうかといった条件は、価格の微調整を行なう際に評価されると考えておいてください。

ここで物件Bと物件Cの坪単価を計算すると、それぞれ単価201万円(物件B)と208万円(物件C)となります。

したがって、物件A(自分の物件)は単価201万円(物件B)と208万円(物件C)の間で、かつ、総額も4500万円と4280万円の間の価格になると考えられます。

たとえば、Aの坪単価を205万円とすると、205万円×21.17坪(=70㎡)=4339万円となります。

あくまで概算ですが、4350万円前後が自分の物件の価格イメージと言えるでしょう。

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この記事を書いた人

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント

公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、AFP、ファイナンシャルプランニング技能士2級。 神奈川県住宅供給公社にて、分譲マンション、一戸建・宅地分譲、高齢者住宅等の新規不動産販売部門に従事した後、同社賃貸部門にて賃貸物件の募集、管理業務に従事する。その後、不動産投資専門の仲介会社を経て、不動産コンサルタントとして独立。 現在は「不動産サポートオフィス」の代表コンサルタントとして、自宅の購入、不動産投資、住み替え、融資など多岐にわたる不動産に関する相談・コンサルティングを行なう。その他、不動産業者向けの研修や各種不動産セミナー講師、書籍、コラム等の執筆にも取り組んでいる。 主な著書に、「貯蓄のチカラ~30歳からのおカネの教科書」(朝日新聞出版)、「失敗ゼロにする不動産投資でお金を増やす!」「賃貸生活A to Z」(アスペクト)がある。

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