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お客さんには絶対見せない! 知らないと損する不動産業界の4つの仕組み(2/4ページ)

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<仕組み3>不動産会社はわざと高めの査定額を出す

一般的に、家を売る人は複数の不動産会社に査定を依頼し、そのなかから売却を依頼する会社を選んで売買契約の仲介を依頼します。その際に、売り主と不動産会社の間で結ぶ契約が「媒介契約」です(媒介契約には3つの種類がありますが、それについては後述します)。

少しでも高く売りたいと考える売り主は、最も高い査定価格を出してきた不動産会社を選んでしまいがちなのですが、そうした売り主の心理を利用して、媒介契約を取るために不動産会社がわざと相場より高めの査定価格を出してくるケースがあるのです。

高めの査定価格を出した手前、売り出し価格をそこから大きく引き下げるわけにはいきません。しかし、それが市場価格とかけ離れていれば、買い手は見つからないというのは、誰もがわかることでしょう。ですが、不動産業界には、売り主をうまく誘導して、売り出し価格を引き下げる仕組みがあります。

それが、不動産業界の三大悪弊とも言われる「干す」「値こなし」「囲い込み」という行為です。

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「高い査定額を出す」不動産会社を信じてはいけない!その裏にある落とし穴とは?

<仕組み4>不動産会社は売り主に値下げを認めさせる仕組み

「干す」とは、媒介契約を結んで預かった売り物件を、ろくな販売活動もせずに、中古不動市場で“干す”(放っておく)ことを言います。

具体的には、不動産ポータルサイトに物件情報を掲載しなかったり、レインズに登録しても「広告不可」にしてしまったりする行為です。

広告不可とは、たとえば「近所の人に家を売ることを知られたくない」という売り主の希望があった場合に広告が出ないようにするのが本来の目的なのです。

ですが、物件を預かっている不動産会社が販売活動を独占するため、他社に広告を出させないようにする目的で、売り主の意思とは無関係に広告不可としてしまうケースもあり、これは売り主にとっては大きな機会損失です。

一定期間、干した後に行なわれるのが「値こなし」です。値こなしとは、「この値段では売れないので売り出し価格を下げましょう」といって値下げをさせることを言います。

相場より高い売り出し価格が、相場水準まで下がれば、当然、買い手からの問い合わせが入ってきます。そこで行なわれるのが「囲い込み」です。「囲い込み」とは、ほかの不動産会社からの問い合わせを「すでに商談中です」とか「もう成約するところです」と言ってシャットアウトしてしまうことです。

なぜそんなことをするのかと言えば、囲い込みをしている間に、自社で買い主を見つけてきて、「両手取引」を成立させるためです。

「両手取引」とは、預かった売却物件の買い主を自社で見つけてきて、売り主と買い主のそれぞれから仲介手数料を受け取る取引です。他社が買い主を連れてきた場合には、「片手取引」といって仲介手数料は売り主からのみ受け取ることになります。

つまり、不動産会社は「両手取引」を成立させて、ダブルで仲介手数料を受け取ることを狙っているのです。

(関連記事)
業界の裏を知る私が教える、不動産一括査定の賢い使い方

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