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住宅を買うことは本当にリスクなのか?

人口減少時代に30年後も資産価値が落ちない住宅の4つの条件(3/5ページ)

市川 貴士市川 貴士

2017/03/07

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<条件1>生活利便性が高い

私が30年前当時、坪単価125万円で販売していた西葛西の中古マンションは、現在いくらで売れているのでしょうか?

実は、当時の新築坪単価と同じ値段、つまり坪単価125万円程度で売れています。建物の価値自体は下がっていますが、土地の価格が上がっているためです。

都心から1時間半以上かかるエリアのマンションは、新築時の4分の1以下の価格になってしまっているところも多くありますから、西葛西の中古マンションの資産価値はむしろ高まっていると言えるでしょう。

西葛西はこの30年で便利になりました。30年前は、駅前には空き地が多くあり、工場も多くありました。その一方で、スーパーなどは少なく、住環境や生活の利便性は決して良いと言えるものではありませんでした。

ですが、住む人が増えたことで、住環境が整い、その分だけ住みやすくなったと言えるでしょう。

生活様式が変わり、共働きの世帯が増えましたが、郊外は共働きには不便です。そのため、以前よりも都心回帰が顕著になり、東京はいまも人口が増えています。

もちろん都内であればいいというわけではありません。東京も今後人口が減ると予測されていますから、エリアによるバラツキはより顕著になると思います。

30年前は、都心に住む利便性といえば、「職場が近い」ということくらいしかありませんでした。しかし、山手線の内側や湾岸エリアに再開発プロジェクトが増え、都心に住む利便性は圧倒的に変わり、生活もしやすくなりました。

30年前、私は日本橋箱崎町にワンルームを借りて住んでいましたが、買い物や食事にはとにかく不便でした。倉庫街で日曜日などは店も閉まっていたのです。しかし、現在では多くのオフィスが移転してきて、店舗も増えて便利になりました。

高齢化社会では、これまで以上に生活利便性が求められるはずです。東京のみならず地方でも、商業地や行政サービスを一定範囲に集めたコンパクトシティに対する評価が一層高くなるでしょう。

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この記事を書いた人

株式会社国際不動産エージェント 代表取締役社長

宅地建物取引士。公認不動産コンサルティングマスター。 1961年生まれ。東京外国語大学中国語学科卒業。 84年、株式会社リクルート入社後、株式会社リクルートコスモス(現コスモスイニシア)へ転籍。25年間の在籍中、不動産営業・マーケティング・商品企画に従事。その後、海外不動産の販売に従事し独立。世界各国の不動産の視察、販売を行なうほか、セミナー講師としても活躍。 30年のデベロッパー経験を活かし、独自の不動産マーケティング理論を組み合わせた分析を得意とする。14ヵ国38都市の不動産を視察し、現在も毎月海外視察を継続中。わかりやすい解説と不動産マーケットを知り尽くした深い視点からの語りが好評。

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