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奨学金を借りる以外に何ができるのか?

住宅ローンの返済と子どもの教育資金で家計を破綻させない5つの方法(3/5ページ)

牧野寿和牧野寿和

2017/02/02

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<対策2>貯蓄したお金を運用する

貯蓄したお金は運用に回すのもいいでしょう。

まとまった教育費が必要になるまで、どれくらいの期間があるかによって運用の方法を変えてみるのもおすすめできます。

短期間(5年間くらいまで)で教育費を積み立てるのであれば、元本割れのない、普通預金や定期預金にしておきましょう。現在、利息はほとんどつきませんが、預金口座に入れておくことで、教育費以外に使ってしまうこと防げます。

中長期(少なくても5年間以上、できれば15年間以上)で積み立てる場合は、普通預金や定期預金のほかに、個人向け国債、株式や債券投資、投資信託や保険商品といった金融商品で運用をすることも考えられます。

ただし、これらの金融商品のほとんどは、元本保証がありません。中長期で考えれば、定期預金以上の利率が期待できますが、運用結果が積立金額より下回ってしまう可能性もあります。

元本保証のない金融商品で運用をするのであれば、家計の収支に影響を及ぼさない範囲内にしておきましょう。また元本保証がされている商品と組み合わせて運用をしていくことが大切です。

<対策3>奨学金を利用する

奨学金は、学生つまり子ども本人が借りるもので、いまや大学生の52.5%が利用しています(日本学生支援機構調べ)。

日本学生支援機構の奨学金には、無利息のものと、利息がつく貸与型のものがあり、貸与型がよく利用されています。

奨学金の貸与額は、月額3万円〜12万円の間で設定された金額から選択できて、毎月定額が貸与されます。金利は上限3%と決められており、2016年3月末の時点で0.16%と一般の教育ローンと 比べると低金利で借りることが可能です。

ただし、 留年すると奨学金は原則打ち切られます。また連続3カ月滞納するとブラックリストに掲載されたり、延滞金額に年率10%のペナルティーが課されたりするなど、シビアな面もあります。

奨学金は、大学卒業後、だいたい30代半ばまでかけて毎月返済していきます。勘違いしやすいのですが、親ではなく、子どもが債務者になります。

ある調査によると、奨学金を利用していた人の約4割が、返済を「苦しい」と感じているのが現実です。

大学卒業後に始まるローンの返済の滞納者が約1割に上るということは知っておいていただきたいデータです。

毎月8万円の奨学金を受け取っていると、卒業と同時に400万円弱もの借金を背負うことになります。

奨学金の返済の負担のために、なかには貯金ができず、将来の見通しを立てられなかったり、住宅を購入しようとしたときに住宅ローンの審査が通らなかったりするケースも出てきます。

貸与型の奨学金は、あくまでも返済の必要のある〝学資ローン〟の一種であることを忘れてはいけません。

次ページ ▶︎ | <対策4>教育ローンを借りる

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この記事を書いた人

CFP、一級ファイナンシャル・プランニング技能士

1958年名古屋生まれ、大学卒業後、約20年間旅行会社に勤務。出張先のロサンゼルスでファイナンシャルプランナー(FP)に出会い、その業務に感銘を受け、自らもFP事務所を開業。 その後12年間。どの組織にも属さない「独立系」FPとして、誰でも必要なお金のことを気軽に考えてもらうため「人生を旅に例え、お金とも気楽に付き合う」を信念に、日本で唯一の「人生の添乗員(R)」と名乗り、個別相談業務を行なうとともにセミナー講師として活動している。 また、賃貸不動産の経営もしており、不動産経営や投資の相談にも数多くのアドバイスやプランニングをしている。

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