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中古住宅がブームのいま、家を売ると大損する3つの理由(2/3ページ)

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理由(1) そもそも個人の売り主は立場が弱い


(図3)個人売り主は、不動産会社に情報をコントロールされてしまう

リノベ物件ブームに関係なく、実は、不動産取引のなかで最も弱い立場にあるのは個人の売り主です。
そもそも不動産会社は、一般の消費者とは比べものにならないほどの情報とノウハウを持っています。しかも、個人の売り主は、自分が売りに出している物件にどんな問い合わせがあったのかさえ、不動産会社を通じてしか知る術がありません。知らされる情報は、すべて不動産会社にコントロールされてしまっているといっても過言ではないでしょう(図3参照)。

本当は買い手からの問い合わせが多数あったとしても、もしも、すべて不動産会社にシャットアウトされ、「まったく問い合わせが来ないので値下げしましょう」と言われたら、それを信じてしまっても何の不思議もないでしょう。
そのため、いつの間にか不動産流通市場から除外されて、良い買い手がつくチャンスを奪われてしまうことさえあり得ます。
もちろん、不動産会社が必ずそういったことをするわけではありません。ただ、残念ながら一部の不動産会社の間ではそうしたことが行なわれているということを知っておいていただきたいのです。

こうした事態は、後ほど触れるように不動産会社との契約を選ぶことで回避できますが、不動産会社の手の内を知らなければ、彼らの都合のいいように利用されてしまうことにもなりかねないといえるでしょう。

理由(2) 買い取りに誘導されてしまう


(図4)買い取りに誘導する狙いは、両手取引を2回成立させること

個人が家を売ると大損するふたつ目の理由は、専門業者による買い取りに誘導されてしまうケースがあるからです。

中古住宅の売買取引は、個人売り主から個人買い主へと売却されるケースのほか、買い取りといって不動産会社が購入するケースがあります。実は、昨今のリノベ物件ブームには、買い取り専門業者が、個人売り主から中古住宅を安く購入し、それをリノベーションして利益を乗せて売るというビジネスモデルを確立させたという背景があります。
買い取り業者の買取価格は、相場の6割程度といわれています。もしも囲い込みに遭った上に、買い取りに誘導されてしまったら、個人の売り主にとって、それほど悲惨なことはありません。

不動産仲介業者にとっても、こうしたリノベ物件ビジネスは儲けの大きいビジネスになっています。なぜなら、中古住宅は個人の買い主ではなく、買い取り業者に売ったほうが儲かるからです。

たとえば、S不動産が「囲い込み」したAさんの物件を自社で見つけた買い主に売った場合、Aさんと買い主の双方から仲介手数料を受け取る(両手取引)ことができますが、ビジネスとしてはそれで終わりです。
ところが、Aさんの物件を買い取り業者Z社に売却した場合、S不動産は、Aさんの物件で2度の両手取引を実現できるのです(図4)。

なぜそんなことができるかといえば、Z社にAさんの物件を売却する際、「再販売の仲介はS不動産に依頼する」という約束を交わしているケースが実際にあるからです。
つまり、S不動産は1件の売却案件で、2回の両手取引を行ない、片手取引の約4倍の仲介手数料を手にすることになります。

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この記事を書いた人

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