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「広大地評価」廃止で得をする人、損をする人(5/5ページ)

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■賃貸オーナーはここを見逃すな!

さらにこの地積規模の大きな宅地の評価は、1棟建てのマンションやアパートのオーナーにとって有利な面もある。

これまで広大地評価は、中高層の集合住宅等の敷地用地として使用するのが最有効使用と認められる宅地、いわゆる「マンション適地」は除外されており、共同住宅が立ち並ぶ地域の土地には適用できないことが多かった。しかし、今回の制度ではその縛りがなくなったため、賃貸アパートやマンションの敷地でも、条件さえ満たせば地積規模の大きな宅地の評価が適用できる可能性がある。

その際のポイントについて、藤宮さんは次のように指摘する。

「アパートやマンションを建てる場合、三大都市圏の一定区域では、500㎡以上だと開発許可が必要になります。それにより、ゴミ集積所の設置や、道路の隅切りの整備などが必要で手間がかかるうえ、許可が下りるまでに時間を要し、工事が中断するといった不便が生じます。

そのため、開発許可を要しない499㎡ぎりぎりの敷地面積で建てている例がよく見られます。しかし、これでは、地積規模の大きな宅地の評価を適用することができません。そこでまず、499㎡の土地に本体の建物を建てておき、後付けで駐輪場などの共用部分を設けるなどして、全体として500㎡を超えるようにすれば、地積規模の大きな宅地の評価の適用が可能となります。相続対策として共同住宅を建てる場合は、この点についても、考えておきたいですね」

以上、広大地評価についてふれてきたが、備えあれば憂いなし――本稿を読んで気になる土地が浮かんだ方は、まずはその土地がどんな個性を持っているのか、把握することから始めてみよう。

 

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