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「広大地評価」廃止で得をする人、損をする人(4/5ページ)

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■新評価を生かした相続対策とは

平成30年から導入される地積規模の大きな宅地の評価を最大限に生かすためには、どのような対策を打つのがいいだろうか。三大都市圏にある土地を例にとって考えてみよう。

1つ目の方法は、「土地の評価単位を見直すこと」である。

たとえば、地続きでまとめると500㎡の土地なのに、現状は畑・自宅・月極駐車場と利用方法がバラバラになっているケースでは、これをひとまめとにするというものだ。

「この場合、畑、宅地、雑種地とそれぞれ別の評価単位になってしまい、500㎡の面積要件を満たしません。ここでポイントになるのは、畑は家庭菜園のような自家消費に供される作物を育てている場合、宅地の一部として評価することが可能であり、さらに、月極駐車場は自宅駐車場として使用するようにすれば、同じく宅地と一体評価することができるという点です。これらに注意して土地利用の方法を変更すれば、全体を500㎡のひとつの土地とすることができ、地積規模の大きな宅地の評価を適用できるようになります」

2つ目の方法は「土地の面積を測量し直すこと」である。

「公簿上では500㎡に満たない土地だったのが、実測してみたら500㎡を超えるという、いわゆる縄延びの土地はめずらしくありません。なかでも田、畑、山林、雑種地はこうした例が多い。この場合、500㎡を超えれば地積規模の大きな宅地の評価が適用できるのですから、その土地の広さを再調査することは、意義あることだと思います」

3つ目の方法は「相続する土地を親子間の共有にすること」である。

「一般に、不動産の共有は遺産分割で避けるべきと言われますが、地積規模の大きな宅地の評価は、土地の広さで決まりますから、たとえば父親が亡くなり、母親と子どもが相続人となる場合で、母子の仲が問題ないのであれば、分割して小さな土地にするのではなく、土地を分けずに母子の共有名義のまま相続するのもお勧めです。ただし、共有は親子間に限り、兄弟・姉妹での共有はトラブルの元ですから、避けるのが賢明です」

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