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『MOTHER マザー』/実話を元にした不愉快な物語であっても、目が離せない長澤まさみの演技(1/3ページ)

兵頭頼明兵頭頼明

2020/07/01

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©︎2020「MOTHER」製作委員会

実に不愉快な物語

女優・長澤まさみ。1987年6月生まれの33歳。第5回「東宝シンデレラ」オーディションにおいて史上最年少の12歳でグランプリに輝き、2000年6月公開の映画『クロスファイア』でデビュー。

2004年『世界の中心で、愛をさけぶ』では白血病に苦しむヒロイン亜紀を演じ、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞ほか数々の映画賞を受賞。近年は是枝裕和監督作品『海街diary』(17)や黒沢清監督作品『散歩する侵略者』(17)をはじめ、『嘘を愛する女』(18)『マスカレード・ホテル』(19)『コンフィデンスマンJP-ロマンス編-』(19)などに出演。シリアスな役柄もコミカルな役柄もこなす実力派女優として八面六臂の活躍ぶりである。

そんな長澤が、かつて演じたことのない異色の母親役に挑んだ最新作が『MOTHER マザー』である。

シングルマザーの秋子(長澤まさみ)が息子の周平を連れて実家を訪れている。両親に金を借りるためである。別れた夫からは毎月養育費が送られ生活保護費もあるはずだが、秋子は働く気がまるでなく、昼間から酒を飲みパチンコやゲームセンターに入り浸って金を使ってしまう。これまで何度も家族に借金してきた秋子は完全に愛想を尽かされ、母の雅子(木野花)に追い出されてしまった。

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この記事を書いた人

映画評論家

1961年、宮崎県出身。早稲田大学政経学部卒業後、ニッポン放送に入社。日本映画ペンクラブ会員。2006年から映画専門誌『日本映画navi』(産経新聞出版)にコラム「兵頭頼明のこだわり指定席」を連載中。

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