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中国・デジタル人民元とは何か その仕組みと狙い(2/4ページ)

小川 純小川 純

2020/12/09

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実際に配られたデジタル人民元が利用できた期間は10月12日~19日だが、深セン市内のスーパーマーケットや飲食店、ガソリンスタンドなど、およそ3400店舗で利用されたという。

テストの募集から使い方、実際に使われている模様などはホームページで紹介されている。

使い方はスマートフォンにデジタル人民元の財布にあたる専用のウォレットをダウンロードし、そこにデジタル人民元の残高を管理するというもの。

支払いは会計の際にスマートフォンにQRコードやバーコードを出して、それを読み取らせるだけだ。すでにアリペイやウィーチャットペイによるデジタル決済が一般化している中国では違和感はない。やり取りされるのが新しいウォレットにあるデジタル人民元というだけで、使い勝手はアリペイやウィーチャットペイと何ら変わりはない。

今後については、上海市で開かれた金融関連のイベントにおいて、「実験を北京の市内や天津市、上海市、広州市、重慶市など主要都市を網羅する28地域に広げる」と中国人民銀行のデジタル通貨研究所の穆長春所長が明らかにしているように、デジタル人民元の実験はさらに規模を拡大して行われるようだ。中国政府では、2022年の北京冬季オリンピックでの実用化の目標に向けて最終段階にあり、推進中といったところだ。

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この記事を書いた人

編集者・ライター

週刊、月刊誌の編集記者、出版社勤務を経てフリーランスに。経済・事件・ビジネス、またファイナンシャルプランナーの知識を生かし、年金や保険など幅広いジャンルで編集ライターとして雑誌などでの執筆活動、出版プロデュースなどを行っている。

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