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共同養育できなかった私が、子どもが成人した今だからこそ伝えたいこと(1/3ページ)

しばはし聡子しばはし聡子

2020/12/25

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イメージ/123RF

こんにちは。一般社団法人りむすびです。離婚後も両親で子育てする共同養育を実践している女性「共同養育woman」特集。今回は、お子さんが成人した今、父親の存在の大切さを語るママにインタビューしました。

――はじめに、今回インタビューを受けてくださった経緯を教えてください。

私自身、離婚後に元夫と共同養育を実践できなかったことから、今の私がお伝えできることをお話できればと思いました。娘たちは成人していますが、ここまで育てていくなかで、母親である私一人の視点ではなく、もう一人の責任をもった保護者、つまり父親が子どもを見守る役割が必要な場面を多く感じてきました。その意味でも父親の存在は大きいと思います。

私自身は、過去の経験から男性に対してアレルギーがありました。父親的な役割を社会に担ってもらうという考え方もあり、我が家もその方針で子育てをしてきました。しかし、潜在意識では「父親と社会性はつながっている」ということを最近知りました。子どもも自己肯定感を保つのに父親の存在は必要だと感じます。

社会的に成功されている方は、両親から愛情を注がれて育っている方が多いというデータがあります。ご夫婦揃って親として機能している、私はそんな家族を提供できませんでした。子どもが社会に出るときに、自分の基軸にぶれがでてきたとき、父親の存在があると違うのではないか、と思います。男性も参加する共同養育は大事だ、と痛感しています。

シングルマザーの支援は女性の自立を支援するものが多くて、それも大事だとは思いますが、男性の関わりもときとして必要だと思います。つまり、父親とか男性の存在に目を向けることが大切と考えます。

――ご自身が離婚をするときに、子どもに対してお父さんとの関わりを、当時どのように考えていましたか。

離婚に至った原因としては、彼への信頼を失ったことが一番の理由です。ただほかにも、元夫は、彼自身が「父親」になり切れないタイプで私が彼の母親状態でした。

子どもが生まれてから元夫には育児に関わってほしいという思いはあり、その働きかけはずっとしてきました。母乳育ちの下の子も私から離れて父親と遊べる年齢になり、上の子は彼が好きでした。ですから壊れた夫婦関係の修復を試みましたが、改善できず家のなかの雰囲気が険悪になりました。

そのなかで上の子に癲癇(てんかん)の症状が出てきたり、子どもたちはそれぞれ病気やケガが多発。私もストレスで食事ができず1カ月で体重が10Kg落ち、胃に穴が開き、救急車を複数回呼ぶ事態になり限界を感じました。

彼が感情的になれば事故が起きかねない状況でしたので、この子たちを守ろうと思い、夫とは別れた方がいいと離婚を決意。「子どもは私が幸せにする、一人で育てる」という覚悟をして、子どもを連れて家を出たんです。

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この記事を書いた人

一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント

1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️

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