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牧野知弘の「どうなる!?  おらが日本」#12 「サラリーマン大家さん」の真髄(2/5ページ)

牧野 知弘牧野 知弘

2019/11/02

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気楽に暮らし しっかり蓄財

サラリーマンは年末に年末調整を受けて所得の申告をしないで済むのが普通だが、しないで済む、ということは関心がなくなるということと同義で、唯々諾々と税金を納めるのが普通のサラリーマン。これに対して、サラリーマン大家さんは確定申告をし、部屋の維持にかかった費用である、ローン金利などを所得から差し引いて、手取りの収入を増やしている。

一生懸命働いて、出世競争に勝ち抜いて地位と名誉、そして高額の報酬を、と頑張るサラリーマンは多いのだが、最後まで出世を貫ける幸せな人はごくわずか。その他の多くのサラリーマンが、結局は出世競争という舞台での敗者となってしまう。

多少人よりも早く部長に昇進したとしても、同期であまり出世しない人との年収の差なんて、日本の多くの会社ではほとんどないのが実情だ。

出世などという自分の実力に対する「思い込み」とかなりの「運の良さ」に人生をかけてぼろぼろになるよりも「実質的」に生きよう、というのがサラリーマン大家さんの考え方だ。

もうおわかりだろう。出世を重視しないのなら、遅くまで働く動機もないし、そりの合わない上司にお世辞を言わずに済む。ましてや毎晩、居酒屋で時間を費やす必要もない。気楽に暮らして、しっかり蓄財。これほど合理的な生き方はない。

サラリーマン大家 行動指針4ヵ条?

ではサラリーマン大家さんになるには、具体的にどのようにしたらよいのだろうか。サラリーマン大家さんの鑑のような、私の知人で関西出身のNさんを紹介しよう。

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この記事を書いた人

株式会社オフィス・牧野、オラガ総研株式会社 代表取締役

1983年東京大学経済学部卒業。第一勧業銀行(現みずほ銀行)、ボストンコンサルティンググループを経て1989年三井不動産入社。数多くの不動産買収、開発、証券化業務を手がけたのち、三井不動産ホテルマネジメントに出向し経営企画、新規開発業務に従事する。2006年日本コマーシャル投資法人執行役員に就任しJ-REIT市場に上場。2009年オフィス・牧野設立、2015年オラガ総研設立、代表取締役に就任。著書に『なぜ、町の不動産屋はつぶれないのか』『空き家問題 ――1000万戸の衝撃』『インバウンドの衝撃』『民泊ビジネス』(いずれも祥伝社新書)、『実家の「空き家問題」をズバリ解決する本』(PHP研究所)、『2040年全ビジネスモデル消滅』(文春新書)、『マイホーム価値革命』(NHK出版新書)『街間格差』(中公新書ラクレ)等がある。テレビ、新聞等メディアに多数出演。

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