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「売却代金+自己資金」で完済できるか?

住宅ローンが残っているマンションは売却できる? 売却代金で残債が返せない場合の対処法は?(3/4ページ)

斎藤 岳志斎藤 岳志

2017/09/26

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<対処法2>任意売却を検討する

任意売却は、金融機関の合意を得た上で、ローンを残したまま住宅を売却する方法です。任意売却は、通常、住宅ローンの返済を続けられなくなった場合に、住宅を金融機関に差し押さえられて競売にかけられる前に、住宅を売却する方法として活用されます。

前述した通り、マンションの売却代金よりも住宅ローンの残債のほうが大きい場合は、売却時にそのマイナス分を自己資金で用意しなければなりません。ですが、任意売却の場合、金融機関の合意を得ることで、不足金額が出た場合であっても自己資金で補填せずに売却できるのです。

ただし、残ったローンについては免除されるわけではありません。金融機関と話し合いをした上で不足分の支払い方法などを決定することになります。

なお、任意売却にはリスクもあります。

住宅ローンの返済を延滞してしまった場合、個人信用情報に延滞の履歴が残ります。つまり、ブラックリストに載るということです。信用情報に延滞の履歴がついてしまうと、その後5~6年は新たな住宅ローンの借入れができなくなってしまいます。

任意売却は、住宅ローンの返済ができなくなり、自宅を競売にかけられるのを避けるための最終手段と考えて、安易な気持ちで利用しないようおすすめします。

<対処法3>売却はやめて賃貸に出すことを検討する

3つ目は、マンションの売却をやめて賃貸に出すという方法です。ご自身は賃貸住宅に引っ越す、親の家に同居するなどして、マンションを賃貸に出すことになります。

この場合、家賃収入を住宅ローンの支払いにあてることで、毎月の家計支出を抑えられる可能性があることはメリットと言えるでしょう。

たとえば、現在のマンションの管理費修繕積立金が月額2万5000円、住宅ローンの返済が毎月10万円とします。一方、マンションを賃貸に出した場合の賃料を月額16万円としましょう。

この場合、毎月3万5000円(16万円-2万5000円-10万円)が手元に残ることになります。

仮に、家賃12万円の賃貸住宅に転居した場合、3万5000円を家賃の支払いにあてることができるので、実質的な家賃負担は8万5000円(12万円-3万5000円)となります。

現在のマンションの管理費修繕積立金とローンの返済が、毎月12万5000円ですから、毎月4万円(12万5000円-8万5000円)の支出を抑えることができることになります。

もちろん、これはあくまで計算例であって、実際には必ず支出を削減できるとは限りません。ただ、転居や住み替えを考える場合、現在居住中のマンションを売却しない方法があることを知っておいていただきたいところです。

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この記事を書いた人

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

FPオフィス ケセラセラ横浜代表 百貨店在職中にファイナンシャル・プランナーの資格を取得。税理士事務所、経営コンサルティング会社などを経て、FPオフィス ケセラセラ横浜を開設、代表を務める。 マイホーム購入・売却相談のほか、不動産投資のサポートも行なっている。株式投資やFXなど一通りの投資を実践した後、2007年より不動産投資をスタート。現在は、自らの資産運用はほとんど中古マンション投資に絞って取り組んでいる。

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