住宅ローンが残っているマンションは売却できる? 売却代金で残債が返せない場合の対処法は?(2/4ページ)
斎藤 岳志
2017/09/26
住宅ローンを完済できない場合の4つの対処方法
しかし、自己資金と売却代金を合わせても、残った住宅ローンを完済できない場合は、どうしたらいいのでしょうか? その場合の対処方法としては大きく次の4つが考えられます。
(1)買い替えローンを利用する
(2)任意売却を検討する
(3)売却をやめて賃貸に出す
(4)売却をやめてそのまま住み続ける
(4)の売却をやめてそのまま住み続ける場合については、改めて説明する必要はないと思いますので、その他の3つのケースについて、それぞれメリットやデメリットを見ていきたいと思います。
<対処法1>「買い替えローン」を検討する
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買い替えローンとは、文字通り、買い替えのためのローンです。
このローンを利用することで、現在住んでいるマンションの売却代金で住宅ローンを返しきれない場合、その不足分を、新居の購入で新たに組む住宅ローンに上乗せして借りることができます。具体例をあげてご説明しましょう。
●現在、居住中のマンション
売却代金 1500万円
住宅ローン残高 1800万円
不足額 300万円
●新たに購入するマンション
購入代金 2700万円
住宅ローン借入額 2700万円
この場合、新たに購入するマンションの代金2700万円に、現在の住宅ローン残高とマンション売却代金の差額である300万円を上乗せした3000万円を新たな住宅ローンとして借入れ、現在のローンを完済するという仕組みです。
ここで注意していただきたい点がふたつあります。
ひとつは、新たに購入するマンションの価格に、現在の住宅ローン返済の不足分を上乗せして借りるので、借入額が大きくなり、毎月の返済額が増える可能性が高いということです。
もうひとつは、新たに購入するマンションの物件価格を超える住宅ローンを組むことになるため、当然、住宅ローンの審査も厳しくなるということです。
誰もが買い替えローンを利用できるわけではないと考えておいてください。
当初の住宅ローンを組んだときよりも収入が増えているなど、新たに住宅ローンを組んでも無理なく返済を続けられると、金融機関が判断しない限り、審査には通りにくいと言えるでしょう。
まずは買い替えローンを利用できるかどうか、金融機関と相談した上で慎重に検討することをおすすめします。
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
FPオフィス ケセラセラ横浜代表 百貨店在職中にファイナンシャル・プランナーの資格を取得。税理士事務所、経営コンサルティング会社などを経て、FPオフィス ケセラセラ横浜を開設、代表を務める。 マイホーム購入・売却相談のほか、不動産投資のサポートも行なっている。株式投資やFXなど一通りの投資を実践した後、2007年より不動産投資をスタート。現在は、自らの資産運用はほとんど中古マンション投資に絞って取り組んでいる。