マンションの売買契約をキャンセルしたい! 手付金はどうなる? 違約金は取られるの?(1/4ページ)
横山晴美
2017/08/11
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マンションの売買契約はキャンセルできる?
マンションの売買契約は、売り主と買い主、双方の「売ります・買います」という合意に基づいて成り立つものです。どちらか片方の意思で成立するような一方的なものではなく、双方の合意がなければ締結することはできません。
どちらか片方の意思だけでは成立しないというのは、売買契約のキャンセルについても同じです。お互いの合意に基づいて結ばれた契約を、どちらかの都合で一方的にキャンセルすることは認められないのです。
とはいえ、一度合意した契約は絶対に解約できないとなると、実務上、困ってしまうこともあります。そのため、売り主もしくは買い主が自己都合で契約のキャンセルを申し出た場合には、一定のペナルティーを与えた上で、売買契約のキャンセルを認めることになっています。
では、そのペナルティーはいつから、どの程度の額で発生するのでしょうか。
マンション売買契約の流れを知ろう
まずは、マンションの購入申し込みから引き渡しまでの大まかな流れを知っておきましょう。
(1)物件探し
(2)購入申し込み(申込証拠金を支払う場合もある)
(3)売買契約と手付金の支払い(申込みから1週間〜10日以内)
(4)住宅ローン契約
(5)住宅ローンの融資実行と残金の決済
(6)物件の引き渡し
購入申し込みをして、売買契約を締結する際には手付金を支払います。手付金は物件価格の一部を先払いするもので、売買契約の成立を示す証拠金の意味をもっているお金です。
住宅ローンの融資実行時には、手付金はそのまま頭金に充当され、購入代金から頭金を引いた残金を住宅ローンで支払うことになります。
この一連の購入手続きのなかの、どのタイミングで、売買契約をキャンセルするかによって、手付金が没収されてしまったり、違約金を支払わなければならなくなったりと、ペナルティーの取り扱いが異なります。
この記事を書いた人
ライフプラン応援事務所代表
ファイナンシャルプランナー(AFP)、住宅ローンアドバイザー。企業に属さない独立系FPとして、2013年ライフプラン応援事務所を立ち上げて以降、住宅相談を専門に扱う。マイホーム相談では保険見直し、教育費、退職後プランなど総合的な視点で資金計画、および返済計画を考案。相談業務のほか、セミナー講師、執筆業など情報発信、啓蒙活動にも力を入れている。 「自分の家計は自分で守る」をモットーに、丁寧でわかりやすい面談が好評。 また、給付金や控除など、消費者のための制度を調べるのが得意で、「ここが使いにくい」「誰のための制度なのか」などとケチをつけるのが好き。