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不動産取引のプロが教える交渉術

中古マンションの値引き交渉を成功させる5つのポイント。交渉方法、タイミングは?(4/5ページ)

秋津智幸秋津智幸

2017/05/02

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<ポイント4>値引き交渉で絶対にやってはいけないこと

中古マンションなど、不動産仲介業者が間に入っている物件の値引き交渉では、絶対にやってはいけないことがあります。

それは、不動産仲介業者を飛ばして売り主と直接交渉することです。値引き交渉は、必ず不動産仲介業者を通して行ないましょう。

不動産仲介業者を飛ばして、売り主が買い主と直接やり取りすることは、取引慣行のマナー違反とされています。これは逆も同じです。買い主から申し出ても、売り主から買い主に声をかけても、不動産仲介業者を飛ばしてやり取りする事実に変わりはありませんから、必ずあとで問題になりますし、場合によっては取引ができなくなることもあります。

不動産仲介業者を介した取引の場合、通常は、正式な購入申し込みに至るまで、買い主の属性(収入や職業などの個人情報)をぼかした状態でやり取りを進めます。

たとえば、「現在、このマンションの購入をかなり前向きに検討されている方がいます。その方は金融系上場企業にお勤めで、年収は1000万円程度、40代の男性で、ご家族4人、不動産の購入は初めてです」といった感じです。

買い主の側に購入したいという意思があり、収入面などに問題がなければ、購入申込書を提出する前の段階であっても、不動産仲介業者を通して値引き交渉をすることは可能です。

ですが、なかには仲介手数料を払いたくないという理由で、不動産仲介業者を飛ばして、売り主と価格交渉して、直接取引しようとする人もいるのです。

前述したように、正式な購入申し込みがされていなくとも、売り主には買い主の個人情報がある程度は伝えられています。

売り主の立場にしてみれば、不動産仲介会社から聞いている購入希望者とよく似た属性の人から「買いたいと思っているが値引きできるか」という問い合わせが入れば、当然、不審に思って不動産仲介業者に連絡を入れるでしょう。

そうなれば、買い主が業者を飛ばして売り主に直接アクセスしたことはすぐにばれてしまいます。売主物件を直接、不動産業者から購入するのでない限り、不動産仲介業者を飛ばして、売り主と直接交渉しようとするのは絶対にやめておきましょう。

次ページ ▶︎ | <ポイント5>値引きは3%を目安に交渉する

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この記事を書いた人

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント

公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、AFP、ファイナンシャルプランニング技能士2級。 神奈川県住宅供給公社にて、分譲マンション、一戸建・宅地分譲、高齢者住宅等の新規不動産販売部門に従事した後、同社賃貸部門にて賃貸物件の募集、管理業務に従事する。その後、不動産投資専門の仲介会社を経て、不動産コンサルタントとして独立。 現在は「不動産サポートオフィス」の代表コンサルタントとして、自宅の購入、不動産投資、住み替え、融資など多岐にわたる不動産に関する相談・コンサルティングを行なう。その他、不動産業者向けの研修や各種不動産セミナー講師、書籍、コラム等の執筆にも取り組んでいる。 主な著書に、「貯蓄のチカラ~30歳からのおカネの教科書」(朝日新聞出版)、「失敗ゼロにする不動産投資でお金を増やす!」「賃貸生活A to Z」(アスペクト)がある。

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